中浜 直之
京都大学農学研究科森林科学専攻森林生物学研究室博士後期課程（日本学術振興会特別研究員DC）

　マイクロサテライト解析は短い縦列反復DNA配列の大きな変異性を利用した遺伝解析であり、情報量が多く実験作業が簡便なことから近年多く用いられる手法である。これまではマーカー開発に大量の時間と費用がかかるとされてきたが、近年の次世代シーケンサーの導入により、比較的簡易かつ安価にマーカーを開発できるようになった。本セミナーでは、次世代シーケンサーを用いたマイクロサテライトマーカーの具体的な開発手法について紹介する。また、実際に開発したマーカーを用いて草原性絶滅危惧種ウスイロヒョウモンモドキの野外サンプルと標本サンプルについてマイクロサテライト解析を行った。その結果判明した近年の遺伝的多様性及び構造の変遷についても紹介したい。