生命科学セミナー 開催(2013.04.18)
妊娠成立にむけてダイナミックに変化する子宮内膜
〜プロテアーゼ調節から見る子宮内膜脱落膜化〜
演者 | 中村 織江氏 (大阪府立母子保健総合医療センター研究所 代謝部門) |
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日時 | 2013年4月18日(水) 15:00〜16:00 |
場所 | 京都産業大学 15号館1階15102セミナー室 |
世話人 | 京都産業大学 動物生命医科学科 西野 佳以 |
主催 | 京都産業大学総合生命科学部 |
要旨
一般的にほ乳類は、一定期間、子を子宮で育ててから出産する「胎生」という生殖様式を用いています。母体にとって半分異物である胎子を一定期間 母体組織に生着・生育させるために、子宮内膜は特殊な機能を備え、妊娠期間中は特別な分化をすることで妊娠の維持に寄与しています。妊娠中の子宮内膜が持つ特殊な機能には免疫寛容部位の成立や妊娠維持に必要なホルモン・成長因子・プロテアーゼの産生がありますが、これらは全て脱落膜で起きることです。
脱落膜は主に脱落膜細胞と血管から成り、脱落膜細胞はステロイドホルモンのプロゲステロン刺激下で子宮内膜間質細胞から分化・増殖する細胞で、このプロセスは脱落膜化と呼ばれます。子宮内膜脱落膜化は妊娠初期の事象である受精卵着床やその後の胚発生に必須であり重要な生命現象の一つですが、そのメカニズムには不明な点が多々あります。
本セミナーでは、マウス妊娠子宮脱落膜化に際し高発現を示すCytotoxic T-lymphocyte associated protein (CTLA)-2αと、その結合相手となるプロテアーゼ カテプシンLの脱落膜における挙動を解析することで得られた、脱落膜化メカニズムに関する新しい知見を報告します。