総合生命科学部 横山研究室の発表論文が、The Journal of Biological Chemistry 誌のJBC's Best papers of 2012 に選ばれました

 昨年度横山研究室で発表した回転分子モーターの構築原理に関する論文が、米国の最も権威のある生化学会誌であるThe Journal of Biological Chemistry 誌において 昨年度のbest paper に選ばれました。

 2012年中に The Journal of Biological Chemistry 誌に掲載された 4000報以上の論文のうち、各分野1報ずつ、計22報だけが選ばれる名誉なことです。

論文概要

 V-ATPase は、分子内の<軸>を回転させることにより、水素イオン(プロトン)を移動させる回転分子モータータンパク質です。V-ATPase の回転する部分を回転子、その他の部分を固定子と呼びます。それぞれ、十数個のタンパク質が集合し形成されています。このような複雑な構造を持つタンパク質の組立原理がわかれば、新しい組み合わせのタンパク質を作ることも可能になります。回転分子モーターでは、回転子タンパク質が強固な回転子複合体をつくり、これが分子の骨格を成すと予想されてきました。注意深く V-ATPase の構成タンパク質を混ぜあわせると、驚くべきことに回転子タンパク質の一部がない状態でも V-ATPase の基本構造が組み立てられました。回転分子モーターの組立原理における従来の常識を覆し、V-ATPase の構築に固定子が必須であることを明らかにしました。

 
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