第5・6回 バイオフォーラム2012

 最先端の生命科学研究に触れてみませんか

第5回

ATP合成酵素の1分子生物物理研究と、そこから派生した応用研究(デジタルELISA)

 本セミナーでは、2つの話題を提供したい。1つ目は、私たちのライフワークであるATP合成酵素の1分子生物物理研究である。ATP合成酵素はプロトンの電気化学ポテンシャルをATPの合成エネルギーに変換するという異種のエネルギーを変換する分子素子である。このエネルギー変換は、ATP合成酵素の内部にある回転子の回転運動によってなされている。最新の1分子操作実験や高速AFMを用いた実験によって、そのエネルギー変換戦略の基礎が明らかとなってきた。また、膜ポテンシャルによるATP合成回転の計測系も確立し、予想外の回転運動が観察された。その最新のデータを紹介したい。最後に、ATP合成酵素の1分子研究のために開発された技術を応用した超高感度バイオアッセイ1分子デジタルELISA法を紹介する。

講師

東京大学大学院工学研究科 野地 博行 教授

日時 2012年11月16日(金)
開場 15:30〜
開演 16:00〜17:00
場所 京都産業大学 15号館1階15102セミナー室
交通 ※キャンパス内に駐車場はありません。公共交通機関をご利用ください。
交通アクセス
備考 事前申込不要・入場無料・一般の方の参加歓迎
主催 京都産業大学 総合生命科学部

第6回

「Where do we go with what we have learned?」(精子構造のプロテオミクス解析)

 精子細胞は重要な機能を担う複雑な構造をもつ。この細胞の鍵となる特徴は鞭毛(尾部)であり、精子を卵に進ませ透明帯のような卵外皮を通過させるのに役立っている。近年、私の研究室は、鞭毛上のどこにどのような蛋白質が存在し、それらが鞭毛の運動性をどのように制御し動かしているかをより深く理解するために、精子尾部を対象にしたプロテオミクス解析に着手した。そして、我々は代謝酵素や構造蛋白質を含む多くの蛋白質を同定した。今回の発表では、アデニル酸キナーゼの精子における役割及びAMPが精子の運動制御に関わる可能性について概説する。また、精子尾部のアクセサリー構造と軸糸に見つかった他の代謝蛋白質の役割についても紹介する。

 本講演は英語講演となります。通訳はありませんのでご注意ください。

講師

アメリカ ペンシルべニア大学医学部 George L.Gerton 博士

日時 2012年11月19日(月)
開場 15:30〜
開演 16:00〜17:30
場所 京都産業大学総合生命科学部15号館
15102セミナー室
交通 ※キャンパス内に駐車場はありません。公共交通機関をご利用ください。
交通アクセス
備考 事前申込不要・入場無料・一般の方の参加歓迎
共催 京都産業大学総合生命科学部
科学研究費補助金・新学術領域研究
【細胞膜マイクロドメインを足場とする配偶子間認識と膜融合の分子機構】

問い合わせ

京都市北区上賀茂本山
京都産業大学 総合生命科学部事務室
Tel.075-705-1466

 
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