総合生命科学部 中山北斗プロジェクトポストドクターが
平成24年度平瀬賞を受賞しました

 総合生命科学部生命資源環境学科の中山北斗プロジェクトポストドクターが日本植物形態学会の平成24年度平瀬賞を受賞しました。平瀬賞は、植物形態学の進歩に大きく寄与した独創的な研究に与えられる賞です。

研究内容の概要

 生物は進化の過程で様々に種分化し、その形態は目を見張る程に多様です。このような形態的多様性について、なぜそのような形態が進化し、いかなる発生過程の変化を経たのか、といった点を明らかにすることは、生物学にとって重要な命題のひとつです。

 私たちは、古くから多くの形態学者によって起源や発生過程が議論されてきた、単子葉類のAsparagus(アスパラガス)属が有するcladode(仮葉枝)という葉状の器官について、その起源が枝であること、その葉状の形態は葉の形態形成に関わる遺伝子群の転用によってもたらされたこと、加えてアスパラガス属内で見られる棒状の形態の仮葉枝は、転用された遺伝子群の発現パターンの変化によりもたらされたこと、以上三点を、形態学的、発生学的、そして分子生物学的解析をもとに明らかにしました。

 この研究は、アスパラガス属における仮葉枝の獲得とその形態の多様化をモデルケースとすることで、植物の新奇形態の獲得からその多様化までの過程を明らかにした極めて独創的な研究です。加えて、植物の形態の多様化において、既存の遺伝子ネットワークの転用とその改変の重要性を示す例となりました。

関連論文

Nakayama H, Yamaguchi T, and Tsukaya H.
Acquisition and Diversification of Cladodes: Leaf-like Organs in the Genus Asparagus.
The Plant Cell
(2012) 24: 929-940.

※プロジェクトポストドクターとは

 総合生命科学部における特定の研究課題(プロジェクト研究)について、共同研究もしくは研究補助者として研究に従事する者

 
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