教員紹介山田 修司

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山田 修司YAMADA SHUJI

理学部 数理科学科 教授

学位
理学博士(大阪大学)
専門分野
位相幾何学、離散数学

担当科目

数理科学特別研究Ⅰ、数理科学特別研究Ⅱ-1・2、コンピュータグラフィックス入門、データの数理、データ・AIと社会、データ・AI活用基礎、数学の世界

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研究内容

3次元多様体および結び目理論の量子不変量、球のランダム充填

これまでの4年生の特別研究(ゼミ)紹介

結び目理論の研究をしています。具体的には、「結び目理論とその応用」という本を読み、結び目不変量の計算を行ったり、結び目不変量を用いて入力された結び目が8交点までの結び目リストのどれに同値であるかを出力するコンピュータプログラムを作成しています。

特別研究(ゼミ)テーマ・内容

結び目理論

3次元空間内にある輪を「結び目」といいます。結び目にはほどける結び目とほどけない結び目があり、その判定に用いる「結び目不変量」など、結び目理論に関する研究を行います。


特別研究とは、4年間の学びをもとに各自が研究テーマを設定し、教員の指導を受けて研究を深め、卒業研究としてまとめるもので、理学部での4年間の集大成となる重要な授業です。

「不思議だな」と思える人は、数学に向いています。

私の専門は「結び目理論」というものです。これは位相幾何学(トポロジー)の一種で、ひもの結び目を数学的に表現し、研究する学問です。現代数学の中では、非常に珍しい「対象が目に見える」ものなので、学生もなじみやすいのではないかと思います。
例えば、この分野のわかりやすいモデルとしてよく挙げられる「ボロミアン環」は3つの輪による結び目です。3つ絡むとしっかりとつながれるのに、1つでも抜けたらほかの2つは離れてしまう。これ以外にも、8の字に結んだり、水引のように結んだり、ひもの結び方はいろいろあります。
結び目理論というのは「この結び目とその結び目は同じものか?」を証明する学問です。ひもを曲げたり動かしたりすると、結び目の形は変わります。しかし、どんなに形が変わっても同じ結び目である、これはほどけないと証明するのは、実は非常に難しいことなのです。なぜなら「できないこと」を証明しなくてはならないからです。
そのため、結び目理論では「これができたとすると矛盾が起きる」ことを証明していきます。結び目の形を数値化したものを不変量といいますが、その不変量をできるだけたくさん用意していくことによって、不可能を証明する。

結び目理論の代表例「ボロミアン環」。3つの輪を組み合わせたもので、イタリア・ボロミアン家の家紋から名が付いた。

「なぜそんなことを研究しているの?」と思われるかもしれません。結び目理論はゲノム解析に用いられるなど実学への応用もできるのですが、研究の動機自体は、シンプルに「面白いから」です。例えばオイラーの多面体定理というものがあります。紙にさいころのような正六面体を描いて、その頂点と辺と面を数えてみてください。正六面体なら頂点が8、辺が12、面が6。これで「点の数−線の数+面の数」を計算すると、必ず「2」になります。 同様に八面体や三角すいでも、この計算に当てはめると解は必ず「2」になります。不思議でしょう? これを実際に手を動かしてやってみて、頭の中に「なぜ?」がたくさん浮かぶ人は、数学に向いています。不思議だと思うから解明しようという気持ちになるのです。そんな人は、私の研究室に来てほしい。もっと数学を楽しめるステージを用意しますから。

メッセージ

3次元空間内にある輪を「結び目」といいます。輪ゴムのように単純な形に変形できる結び目は「ほどける」といいます。すると、「ほどけない」結び目もあるわけですが、それがほどけないことを証明するにはどうしたらいいでしょうか。その証明には「結び目不変量」というものを用います。それは「結び目が形を変えても変わらない量」のことです。ある結び目が他の結び目に変形できるのなら、その二つは同じ結び目不変量を持ちます。ですから、二つの結び目の不変量が異なればそれらは変形しあえない、ということが分かります。

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