教員紹介渡辺 達也

戻る

渡辺 達也WATANABE TATSUYA

理学部 数理科学科 教授

学位
博士(理学)(東京都立大学)
専門分野
関数解析学

e-mail

担当科目

クリックするとシラバス検索画面が表示されます。さらに検索ボタンを押して確認してください。

研究内容

変分問題、楕円型微分方程式

これまでの4年生の特別研究(ゼミ)紹介

自然現象と微分方程式

岡本久著「日常現象からの解析学」(近代科学社)を輪読しました。流体力学・電磁気学などに関連する微分方程式や、懸垂線・極小曲面などの変分問題についてまとめたものを卒業研究としました。

フーリエ解析と偏微分方程式

加藤義夫著「偏微分方程式」(サイエンス社)を輪読しました。偏微分方程式のフーリエ解析による解法に関する箇所を輪読し、長方形膜や円形膜の振動に関する偏微分方程式についてまとめたものを卒業研究としました。

特別研究(ゼミ)テーマ・内容

微分方程式と変分法

様々な自然現象は微分方程式を用いて数学的に定式化されます。このような微分方程式に対して、微分積分学で学ぶ極値を求める考え方を発展させた「変分法」を用いて、解の存在や安定性を示す研究を行います。


特別研究とは、4年間の学びをもとに各自が研究テーマを設定し、教員の指導を受けて研究を深め、卒業研究としてまとめるもので、理学部での4年間の集大成となる重要な授業です。

微分方程式と変分法

「なぜこんな形をしているのか」「なぜこのような現象が起こるのか」。世の中のさまざまな現象にまつわる疑問は、実は数学を使って説明することができます。私の研究室では、微分方程式を用いて、身近な現象を数学的に解析していきます。
方程式といえば、一般的に未知の“数”を解として求めるものですが、微分方程式では“関数”を求めます。状態は変化を伴い、関数で表されるので、微分方程式を解くことで、現象が「どのように変化するか」が見えてきます。
例えば、やかんを火にかけるとどのくらいの速さで熱が伝わるかといった熱伝導や、物体が落下するときの空気中の抵抗力、感染者数や実効再生産数からウイルスの広がり方を算出するなど、おそらく皆さんが想像されるよりずっと身近なところで微分方程式を活用できます。

さらに「変分法」を用いて、微分方程式の解の存在や安定性を示す試みにも挑戦していきます。変分法とは、汎関数(関数の関数)を最大・最小化する手法であり、微分方程式を解くために有効なツールの一つです。変分問題に書き換えることで、これまで解けなかった微分方程式の解を導き出すことができ、より複雑な現象を解析することが可能になります。
大学で学ぶ数学は、「限られた時間で正しい答を求める」ことを目的とする高校までの数学とはひと味違う面白さがあります。真剣に取り組めば、数学に関心を寄せるみなさんが、これまで積み上げてきた学びの一つのゴールとなるはずです。方程式を解いた先には何があるのか——。
一緒にその答えを探しましょう。

メッセージ

関数が与えられたとき、微分が0となる点およびその符号変化を調べることでグラフを描くといったことは、皆さんにも経験があることでしょう。変分問題とはこれを拡張したものです。 一般にエネルギー量など、関数のなす空間上で定義された実数値関数を汎関数といい、汎関数の極値を求める問題を変分問題といいます。変分問題として定式化される微分方程式に対して、汎関数のグラフの形状を解析し、極値の存在を保障することで微分方程式の解の存在を示す。それが僕の研究テーマで、微分積分学の面白さが凝縮された分野だと僕は思っています。

専任教員一覧に戻る

PAGE TOP