通訳サポート事業参加の感想

イタリア語専修4年生 山下 由起

 私は、まずこの仕事に参加するかしないかで迷いました。留学を終えて、日本に帰国してからすでに10ヶ月が経っていたので、このような大役をするだけの語学力は明らかにありませんでした。でも4年間イタリア語を学んできた集大成としてやってみたいという思いもあり参加することを決めました。

 

 不安な思いを持ちつつ始まった通訳サポート。週に3回ほど通訳に就きました。通訳する内容も伝統工芸についての奥深いことばかり。辞書を片手に、飛び交う会話を真面目に訳そうと考えてしまうあまり、つまずいてばかりで迷惑すらおかけしてしまう始末。そして伝統工芸というジャンルに全くもって無知な私は、日本語ですら理解をするのに苦しみました。

 

 3週間という短い期間しかないことが集中力を高めてくれたように思います。日本の伝統工芸の職人さんもイタリア人のデザイナーさんも目がとても真剣で、着実に仕事をしておられました。その時、「知らない」ことが通訳をする上でどれだけ障害になるかということを肌で感じました。
 逆に単語や知識を覚え学ぶことで、それまで言われたことをただ訳すだけだったけれど、自分の言葉を使うことが出来るようになりました。

 

 不思議だと感じることもありました。彼女(イタリア人のデザイナーさん)と会話をしていると、私が話すスピードが遅いせいもありますが、最後まで聞かなくても私が何を言おうとしているのかを分かってくれることが多々ありました。また、こんな光景もよく目にしました。彼女と日本の職人さんはお互い相手の言葉は分からないにも関わらず、ジェスチャーや声のトーンを通して分かり合っているのです。同じ職業同士、国は違うけれど分かち合えるものがあるのかと、ただただ感心をしていました。

 

 最終的に素晴らしいデザイン・作品が出来上がりました。
個々の才能もありますが、いいものを作ってたくさんの人に見てもらおうという気持ちや短期間で生まれた団結力が大きいのではないかと感じました。私はこの事業に関わったメンバー、みんな大好きです。仕事をするときは真剣な姿勢で、息抜きのときには笑って会話が出来るところ。彼女においては京都の街を歩くとさまざまなところに目を向けて立ち止まり興味を示してきてくれるところ。こんな暖かい感じがとても好きでした。

 

一緒に仕事をすることが出来て心からよかったと思います。

 

 企画をしてくださった方々、事業に関わった皆さま、本当にありがとうございました。

 
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