通訳サポート事業参加の感想

イタリア語専修3年生 中谷 文香

 この通訳サポート事業は例年イタリアへの留学を経験した四年生が主に携わってきたと聞いていました。しかし今回、私が春学期の半年間イタリアに留学していた事もあり、参加を予定していた四年生の先輩に「やってみたら?」と誘って頂いたのがきっかけで参加することに決めました。

 

 この事業は、イタリア人デザイナーと京都の伝統工芸の職人さんがコラボレーションして作品を作る活動での会話を通訳するというものです。デザイナーは二人来ていたので、私たち10人は、半分に別れてそれぞれの専属チームを作りました。活動は平日に行われたので、三年生で履修科目が多い私には活動に参加出来る日が限られていました。そこで、所属するチームを決めずに、どちらのチームであっても、他の人の都合の付かない日を担当する事になりました。

 

 通訳サポートは、一日二人の学生で担当するのが基本です。初めて活動に参加した日は、とてもイタリア語力のある四年生の先輩と一緒で、自分の理解力・表現力に自信が持てず、なかなか思い通りに言葉が出ませんでした。しかも通訳は初めての経験だったので、とても戸惑いました。 

 

 今までイタリア語で話す時は、相手の言う事をイタリア語で理解して、それに対してイタリア語で答えていましたが、通訳をする時はイタリア語で聞いて、頭の中で日本語に置き換えて、全く同じ内容を日本語で口から出さないといけません。イタリアで数ヶ月生活して、クラスメイトともイタリア語で会話していたので、そこそこの内容なら通訳出来るだろうと甘く見ていましたが、イタリア語と日本語を上手く置き換えるのが思いのほか難しかったです。

 

 でも、言った事をそっくりそのまま訳さなくても、内容さえ伝わればいいのではないかと気づいてからは気持ちが楽になって、通訳するのもとても楽しくなりました。特に、私の通訳で、デザイナーと職人さんの意思疎通が上手くいっているように感じるときはうれしかったです。

 

 この活動を通してひしひしと感じたものは、日本人でもイタリア人でも、モノを作る人々が持っている、いい作品、いい商品を作りたいという熱い情熱です。作品を具体化していく過程でも、もっと良くしたいという意見がどんどん出てきました。目の前にある作品が、短時間で次々と素敵に変わっていく様子を見られたのは本当に貴重な体験だったと思います。今まで何気なく使っていたものも、こんな風に一生懸命に作られているのだなと考える様になりました。

 
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