下村君が参加したヴォランティア活動のことがロシアのホームページで紹介される(2011年8月29日)

 ロシアのプーシキン大学に留学中の下村充輝君が参加したヴォランティア活動のことが、ロシアのホームページで紹介されました。そこで、ヴォランティアアキャンプに参加したときの様子を下村君に報告してもらいました。

アルハンゲリスク・ヴォランティアアキャンプに参加して

ロシア語専修3年 下村 充輝

 

 3月11日に東日本大震災がありました。地震と津波だけでなく、原子力発電所から放射能がまき散らされ、いまだにその被害は続いています。世界史に残る大震災となりました。

 私は、多くのヴォランティアア団体が募金を集め、被災地に駆けつけ、より早い復興を目指して懸命に手助けしているのを知り、恩返しをしたいと思い、7月25日から8月5日までアルハンゲリスクのキノオーゼラでヴォランティアアキャンプに参加しました。

草原の道  モスクワから列車で14時間かかるニャンドマという駅で参加者全員が初顔合わせをしました。ロシア人6名、スペイン人2名、イタリア人1名、フランス人1名、ポーランド人1名、人日本人1名の合計12名でした。ニャンドマからさらにバスで3時間かけてキノオーゼラナショナルパークまで向かいました。バスの中で参加者全員が自己紹介をしました。基本的に英語を使っていたので、ロシア語しか話せない私は困惑しましたが、ロシア人の友人が通訳してくれました。その日は、キノオーゼラナショナルパークで宿泊し、次の日、5km離れた森のなかの小さな小屋とテントまで歩きました。そこで、電気、ガス、水道のない生活を12日送りました。


作業現場  毎日、村の人が交代でやって来て、その人の指示で仕事をしました。基本的に、森の中で歩く場所が困難なところを、木の板をおいてその下に丸太などをかまして、まっすぐなるようにチェーンソーで切って、最後は釘で打ちつけて固定する、という作業を繰り返しました。板がかなり重く、また足場が不安定で歩きづらく、てこずりました。なぜ木製の道を作ったかというと、村の住民がこの道をつたって湖に出て魚を釣ったり、ブルーベリーを採集したりするのに使うためと、冬に大量の雪が降って足元が見えにくいので足場を作っておくと便利だからです。


湖  このほか、村の人の要請で空き地の草を刈ったり、子供用の庭を作りました。2日に1度休息の日があり、キノオーゼラ付近の名所や、自然の草花、湖を見て周りました。休みの日はほんとに楽しかったです。ブルーベリーやラズベリーなどを皆でつんで食べたり、湖で魚釣りをしたりしました。ロシア人の参加者がロシアの魚料理「ウハー」を作ってくれました。言葉にできないぐらいおいしかったです。


自作人形  風呂がないので、5km離れた村まで行って、サウナに入らしてもらいました。伝統的なサウナを「バーニャ」と言います。日本ではサウナといったら、年配の方が行くというイメージがありますが、ロシアは幅広い年齢層で親しまれています。バーニャでは、フエルトで出来た帽子を被り、白樺や樫の木を束ねて作った「ヴェニーク」と呼ばれるもので、体を叩いて血行をよくします。全然痛みもなく初めてだったので感動さえ覚えました。村の人たちは、私たちに自然の食材が豊富に入った晩御飯や昼御飯をごちそうしてくれたり、伝統的なロシアの人形の編み方も教えてくれました。私自身も人形を作りました。 


最終日集合写真  最後の日に皆と別れる時、涙が止まりませんでした。2週間でしたが、すばらしい人間関係を築くことが出来ました。このヴォランティアキャンプで多くの新しい経験をしました。話す言葉がなんであれ、一番大切なのは、互いに理解し合おうとする気持ちです。今回の経験は私のかけがえのない人生の財産となりました。


私が参加したヴォランティアキャンプの掲載サイトです。
http://www.kenozero.ru/volontery-luchshie-lyudi-mira.html
記事の下から11行目のところに私のことが紹介されています。その和訳です。

 「日本から来た下村充輝は、ロシア北部でのヴォランティア活動への参加希望について次のように説明している:『私は数か月前にロシア語を学ぼうと日本からモスクワに留学してきました。つい最近、私の国は地震と津波で大きな被害を受けました。何千人ものヴォランティアが日本のために駆けつけてくれました。私はその人たちに恩返しがしたいと思いました。』」

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