ユヴァスキュラ便り2(服部 拓磨:国際関係学科3年)

外国語学部国際関係学科3年 服部 拓磨

JYJY(日本に興味のある学生のサークル)
の仲間と!

ユヴァスキュラの町にかかる橋

 フィンランドに来てから早いもので2か月が経ちました。先週は早くも雪が降りました。日本では今、秋を感じることができる季節で、日中は25度ほどでしょうが、フィンランドの気温は晴れた日は10度まで上がりますが、曇りなど天候がすぐれない場合は最高気温でも5度、さらに夜中はマイナスまで気温が下がります。秋を楽しむ前にもう冬が来てしまった気持ちです。しかしフィンランド人は「今の秋を楽しみなさい。冬はもっと恐ろしい寒さになるぞ」と笑って教えてくれました (笑いごとではないですが…)。

 ここまでの留学生活を簡単に振り返り、感じたことを書きます。最初の一か月間は何をするにも不安で、躊躇ばかりしていたことを懐かしく思い出します。人間の適応能力は恐ろしいもので、2ヶ月間こちらに住んでいると、一人で遠くに行くことができるようになり、買い物や娯楽など私生活においても何不自由なく生活できています。

 言葉の壁に関しても、最初は、相手の言っていることが聞き取れなくて、愛想笑いでごまかして会話から逃げていました。心のどこかで、聞き返すことは相手に対して失礼だと何か勘違いしていたのかもしれません。こちらにきて間もない頃に勇気を振り絞り自己紹介したとき、「あなたの話したいことがわかりません」とあっさり言われたこともあり、会話に対しては少しトラウマのようなものがあったかもしれません。しかし、だんだんと人間関係にも慣れてきて、会話のテンポや相づちのタイミングもつかめてきました。

 英語に関しても「自分は9年間も英語を勉強してきた。けれど過去のことはすべて忘れて0からもう一度英語を学び始めよう。英語はできないから仕方ない」と完全に開き直って、相手の言っていることがわからなかったら聞き返したり、「これはどういう意味ですか?」など積極的に人に話しかけるように頑張りました。すると、会話においての違和感がなくなり、フィンランドに来た時に比べて気楽に会話ができるようになりました。

 会話において障害が出るのは相手の問題ではなくてすべては自分の問題で、自分が変われば自然に打ち解けられる。自分の言いたいことがうまく伝わらなくても、文ではなくて単語や、ボディランゲージでも伝えられます。英語が話せなくても誰もバカにしないですし、伝えようとすれば、みんな自分が何を話したいのか真剣に聞いてくれます。「あの手この手でまずは伝える」という自分のやり方を見つけることができました。自分の思っていること感じていることをどうして言わないのか、口は自分の思いを伝えるためにあって、耳は相手の言いたいことを理解するためについているのですから。

 言葉はただの道具とよく言われますが、こちらに来てコミュニケーションをとろうとする気持ちの大切さを強く感じます。そしていくら英語が話せても知識やユーモアが無かったら意味をなさないと実感しました。大切なのは自分の考えを持ち、それを自分の言葉で相手に伝える努力だと思います。多くのフィンランド人は英語を流暢に話しますが、決してアメリカやイギリスのように英語を母語にしている国ではありません。その点では文法など細かいことに気にしなくていいですし、世界中からの留学生の中にも流暢に話せているなと思っていても、よく聞いてみると文法が微妙に間違っている人もいます。けれども彼らは英語を間違えることを恐れていなくて、自分の気持ちをみんなに伝えています。とにかく伝えたい気持ち、伝える努力があれば必ず言語の壁は越えられると僕は断言します。

 試行錯誤して自分のやり方、スタイルを作り上げることが、留学においての成功方法ではないのかと思います。そのためには、自分を高めたいという貪欲さとストイックさが必要になります。今日という日は一日しかないので、思ったことは実行すべきです。後になって悔やむことがないように。こちらに来て2ヶ月しかたっていないですが、そのことに気づくことができてよかったと思います。英語については本当にまだまだですが、ここからもっと頑張ろうと決意を新たにしています。

(2013年10月)

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