050302 3年次・久禮郁子訳

2005年3月2日付スランビ・インドネシア紙より

津波の災害は教訓を含んでいました。その災害の後、世界中がアチェに向けた関心はいつもとは違っていました。世界の様々な国や民族からボランティアや援助がやってきました。直接アチェにやってきたものだけではないようです。アチェに共感して、外国でも様々な活動が行われています。興味深い例が日本にありました。2月中旬、簡易アチェ語講座が突然開催されました。参加者は、アチェを襲った津波の災害に共感を持った日本国民です。詳細は以下のようなものです。インドネシア文化についての情報発信基地であるGBIが、日本のいくつかの主要都市でアチェに関する写真展を開催しました。その写真展は2005年の1月15日から4月16日まで行われます。案の定、この写真展は成功し、また、暖かく迎えられました。さらに、GBIの創立者でもある日本人ジャーナリストの大川誠一氏の主導で、アチェ語講座も開催されました。まずまずの人たちが興味を示し、3月には、同様の講座を再度行うことになっています。


写真展は、東京のGBIで行われたメインイベントとして、十分な成功を収めました。そこでは、170点以上の写真が展示されました。その内、70点は被災前のアチェ州の様子を写したもの、残りは被災後のものでした。展示された写真のほとんど全てはスランビのカメラマンのチームが撮影したもので、例えば、ハリ・トゥグー・パトリア等の作品でした。その写真展の初日、「日本社会はアチェ社会の為に何が出来るのか」というテーマで議論する為に、GBIはシンポジウムを開催しました。このシンポジウムは、日本の一般社会から寄付金を集める受け皿として、JANを形成する合意を生みました。そして、その寄付金はスランビ・インドネシア社を通じてアチェに引き渡されます。


大川誠一氏によると、寄付金は現時点で既に、約1億3000万ルピア集まっているそうです。募金に参加した人は当然様々です。大学生からの寄付金もあります。普通の会社員からのものもあります。主婦からのものもあります。他の色んな職業の人からの寄付金もあります。集められた寄付金は、作文コンテストを行って、中学生にも高校生にもカリキュラムを越えた教育が盛んになるように利用する計画がなされています。一方、これまでGBIとスランビ・インドネシア社が働きかけてきたアチェ写真展が、GBI以外の団体でも国内4箇所で既に行われています。すなわち、東京都立大学(2005年1月24日〜27日)で、シアークアラ大学(アチェ)講師で、東京都立大学の博士課程に在学中のカイルル・ムナディ氏が主導権を握って開催されました。その後、広島経済大学で開催され(2005年2月2日〜18日)、そして、広島市の中心部でもう一度ある大学教員が主導権を握って開催されます(2005年3月8日〜21日)。


東京の北側に位置する茨城県では、筑波大学の学生有志達が前述のアチェ写真展を開催しました(2005年2月14日〜18日)。筑波大学では地震と津波の災害に関するメトロTVの番組を録画したビデオも流されました。また、GBIによって寄付されたガヨ・コーヒーも振舞われました。筑波大の後、写真展は日本最北の北海道の函館へと移動しました。名古屋大の博士論文執筆中の北村恵子さんが主導権を握ったこの写真展は2月24日から始まり、来る3月3日まで開催されます。北村さんはインドネシア語のインスタント講座も行います。寄付金を募る目的で、メトロTVの録画番組を見る予定もあります。北村さんによると、このアチェ写真展は今後、北海道の北見市と小樽市でも開催予定だそうです。


(2005年7月31日、3年次・久禮郁子訳)

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