山田 優希

インドネシア・ウダヤナ大学へ留学中の山田 優希さんから「留学レポート」が届きました

 バリに来て、あっという間に2ヶ月が過ぎていきました。

 日本と全く違う気候、文化、生活基盤に毎日、驚きの連続で、刺激のある留学生活を送っています。

 これまでの留学生活で体験したことを私の留学レポートとして送らせていただきます。

 まず、私が今一番これまでの生活で留学にきてよかったと思ったことは、住んでいる村のお祭りに呼んでもらい、そのお祈りの最中に憑依(ひょうい:霊などがのりうつること)を目の当たりにしたことです。

 バロンダンス(バロン:バリ島に伝わる獅子の姿の聖獣)というと観光客向けのお昼に公演されるものを私は思い浮かべていました。けれど村の人から誘って頂いたのは夜。

 夜にも公演しているところもあるんだと思いつつ、クバヤ(インドネシア女性の民族衣装)を着せてもらい、バロンダンスを見ていると、ランダとバロンの戦いのシーンの時に急に少し離れたところで人が叫びだしました。最初は何かの演出かと思っていると、私のすぐ横の人も叫んで暴れだし、その人は周りの人達に抑えられて、お寺の奥の方に抱きかかえるようにして連れて行かれました。

 あまりにも突然のことで、自分も少しパニックになってしまいました。連れてきてくれた近所の人の話を聞いてみると、「あれは神様が降りてきて、とり憑(つ)いているんだ。だからお寺の奥で除霊をするんだよ」と教えてくれました。

 今の日本で生活しているとそんな憑依なんてありえないと信じるはずもありませんが、実際に目の当たりにしたこと、あの会場のガムラン(大・中・小のさまざまな打楽器による合奏)が響いて、お香の匂いが充満している、なんとも言えない空間を体験すると、すこし憑依を信じてしまいそうです。

 普段の生活では、最近やっと近所の人達と会話がちょっとずつ続くようになったことがとても嬉しいです。

 バリの中の小さな島に住んでいるので、どうしても交通手段がタクシーになってしまうことが多いのですが、タクシーを待っている間は、近所の人たちが、「どこに行くの?」と声をかけてくれます。また、市場でご飯を食べるときはいつも一緒に近所の人達と会話をしながら食べられるようになりました。

 少し体調を崩したときやガルンガン、クニンガン(210日周期のバリ島のウク暦に沿って行われる、バリ・ヒンドゥーの大切な祭日)などのときに、おすそわけでフルーツをくれたり、気にかけてくれたりと、近所の人達の暖かさが嬉しいです。

 今の生活で困ることは、やはりベモ(軽四輪の小型乗合バス)に乗る際の値段交渉や値段のない店で値段をふっかけられることでしょうか。

 けれど、そのお陰できっぱりとNOといえる度胸と交渉性が身につけられると期待して、今後の生活を楽しんでいきたいです。

 留学レポートを書くにあたり、自分の生活を振り返ってみると、最近ではやっと自分たちの生活リズムもできてきたり、こちらの交通事情などもわかってきたので、今までは近いところばかりに出かけていたのですが、少しずつ行動範囲を広げていこうと思っています!

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