看護師候補生との交流を終えて

インドネシア語専修 4年次生 末松 桂







 今回の看護師候補生との交流は、私にとって非常に有益なものであった。昨年一年間をインドネシアで暮らした私にとって久々のインドネシア人との交流であり、また生のインドネシア語が聞けるとの事から、準備段階から心躍るものであった。
 彼らは日本語を非常に短い間に習得しなければならない過密スケジュールのなか勉強しているという事を重々承知しつつも、自分自身の思いとしてはインドネシア語で話したいとの思いが交錯し、大変もどかしい気持ちを抱いたまま会話がスタートした。彼らはまだ勉強して数ヶ月ということだったが、流暢な日本語を聞いた際には驚愕した。一体数ヶ月の間に如何ほどの勉強をすればここまで流暢になるのだろうか。そう思い彼らに聞いてみると、毎日寝る間も惜しむほどの努力をしているとの事であった。

 文法が間違っていようが、語彙数が足りなくてニュアンスが分かり辛いときでも彼らは一生懸命になって日本語を話していた。そんな光景を目の当たりにして、私は留学中に「生きる為にはやるしかない」と自分を奮い立たせて無我夢中で辞書を開き、誰であろうと必死に話しかけた事を思い出した。まさにその状況が自分の前にある、「自分は今、日本語を彼らの為に話さなければならない。」と思って日本語で話し続けた。

 全てのプログラムが終了したのち、彼らとインドネシア語で話す機会があったのだが、その際に彼らから「日本語はどのくらいで習得が出来るのだろうか。国家試験に不合格であれば帰国しなければならないので本当に怖い。でも今日、たくさんの日本人と話す事が出来て素晴らしい機会になった。自分の足りないところが良く分かったよ。」と呟いて安堵の表情を見せた際には、この交流会に参加してよかったと心の底から感じた。

 この活動を通じて、少しでも彼らの役に立てられたのであれば幸いである。また機会があるのであれば前回の反省を生かして彼らと接していきたい。

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