岡前 香澄(ドイツ)

ベルリン短期留学体験レポート

 私は今年の夏休みを利用して、1ヵ月間ドイツのベルリンに短期語学留学をしてきました。きっかけは、せっかくドイツ語学科に入ったのだから、ドイツ語の授業がある2回生のうちに1回はドイツに行ってみたいという漠然としたものでした。私は大学で募集していた短期語学留学プログラムに落ちてしまったので、留学ジャーナルという所で全てお世話になりました。資料を取り寄せ書類を提出し、電話で色々相談などしていましたが、出発するまで正直自分がドイツに留学するという実感はほとんどありませんでした。

 私が滞在していたのは学校(GLS)が借りている民間寮だったので、一般市民が普通に暮らしている9階建てのアパートの一室でした。家の中は、キッチンやお風呂、リビングは共同で、部屋は1人部屋だったので、1人の時間も欲しかった私には最適な環境でした。ルームメイトはスペイン人の女の子2人だった上に、私は英語もドイツ語もほとんど話せなかったので最初は戸惑いましたが、日が経つにつれ慣れていき、何故ドイツに来たのか、ドイツのご飯はじゃがいもばかりで飽きた!など、色々な話をする事ができました。余談ですが、毎日一緒に生活をしていくうちに「I’m going! Tschüs!」「Hello, I’m home!」というやり取りが自然になっていて凄く嬉しかった事を覚えています。

 私は大学で開講している語学コースに通わずにGLSという語学学校のドイツ語コースに通っていました。ドイツ語コースの他に日本語やフランス語のコースもありましたが、大半の生徒がドイツ語コースなため、ドイツ人はほとんどおらず、その代り色々な国の人がいました。
 しかしドイツに留学する日本人は本当に少ないようで、私を入れても10人程度でした。私は1日中がっつり授業というのは嫌だったので、午前中に90分が2コマあるコースにしました。短いと思われるかもしれませんが、私はこのコースでもたくさんの事を学べました。初日にクラス分けテストを受け自分のクラスに行ってみると、12人クラスの中で日本人どころかアジア人は私1人だけでした。最初はとても不安でしたが、先生もクラスメイトもとても優しく、中々授業についていけず戸惑っている私を毎日フォローしてくれました。今思うと、クラスに1人も日本人がいない環境が、かえって自分のためになったと思います。
 授業内容はどれも1回生の内に習った内容ばかりで、正直新しく学ぶという事はあまりなかったのですが、でもそれ以上に日本では中々体験できない授業形式や、本場だからこそのドイツ語など、たくさんの貴重なものに触れる事ができました。大学生の留学というとやはりドイツの大学に通う事が一般的だと思いますが、私はあえて語学学校に通う事をお勧めします。語学学校は大学とは違ってほとんどが国外から留学してきている学生であるため、色々な国の子と関われます。また色々な授業があるわけではなくドイツ語の授業のみなので、ドイツ語だけに集中して勉強することができます。

 授業が終わってからや休日は、友達とひたすらドイツ観光をしていました。ドイツには日本の物とは比べ物にならないほど大きな博物館や美術館、歴史の重みをとても感じられる建造物がたくさんあります。特に博物館や美術館は、学生証があれば半額以下で入れる所がほとんどな上に、基本写真撮り放題なので、凄くお勧めですよ。
 私は観光をしていて、学校で感じた以上に文化の違いをとても強く感じました。街中に基本トイレはなく、あっても全部有料だったり、駅に改札がなかったり、美術館で警備員さんどうしが普通に談笑していたり、セキュリティーチェックのおじさんが普通にナンパしてきたり… しかしこれらの日本とは全く違う文化が私にはとても新鮮でした。観光する時や普通に街中を歩く時でも、少し意識をしてみるだけで、凄く色々なものが見えたり感じられたりしました。

 私は、今少しでも留学をしようか迷っている方たちに伝えたいことが2つだけあります。1つは「少しでも留学に興味があるなら、迷わずぜひ行ってほしい」という事です。これは留学に行った人ならほとんどの人が言うセリフですよね。私も留学前にこの言葉を何度も目にしては、どうせドイツ語ペラペラの人なんでしょ、私なんか無理に決まっている…と思っていました。でも留学を経験した今、私はこのセリフを胸を張って言えます。何も心配しなくて大丈夫です!英語もドイツ語もほとんど喋れない私でもできたんですから。せっかく留学に興味があるのに、言葉が喋れないからといって行かないのは本当にもったいないです!
 2つ目は「もし留学に行ったら、恥を捨てて何事も積極的に行動してほしい」という事です。海外に行くと、日本人て本当に内気で受け身なのだなって事を痛感します。日本人の様になんでも受け身だと、海外ではあっという間に流されてしまいます。せっかく留学するなら、一度日本での自分も恥も捨てて、何事も自分から積極的に行動してほしいと思います。

 私は今回の留学を通して、本当にたくさんの貴重な事を感じ、体験できました。この経験を糧に、これからも日々成長していきたいと思います。
 最後に、いきなり留学をしたいと言い出した私に何の反対もせず、全力でサポートしてくれた家族、色々お世話になった留学ジャーナルの方、応援してくれたたくさんの友達に感謝します。
 長々と読んで頂きありがとうございました。

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