佐藤 絢香(ドイツ)

Greifswaldの港外れで見守る
3人のおっちゃん。

 日本ではお客様、ドイツでは店員様。カメラを持って歩いているとポーズをとって写真を待つ人々。午前中に全部授業を終わらせ、午後の自由時間をまったり楽しむ。‐15℃の世界でも冷たいビールとアイスクリームは必須。体の温め方はスパイスとラムがプラスされたホットワインで。川沿いの移動は馬。日曜日は休日。Pause。もちろんスーパーも。バスも船もカフェに変身。寒いと着る。暑いと脱ぐ。まねきんお洒落。クリスマスは家族とホームパーティー。大晦日は友達とぱーりない。家族はもちろん友達と過ごす時間をとても大切にし、イベントを体一杯目一杯楽しむ。勉強や勤務 と 娯楽 両方を全力で取り組むドイツ人のライフスタイルは日本人の私から見て、尊敬し参考にしたい面がぼろぼろありました。  

 留学するまでは俄然「ドイツ語とその文化をより学ぶために」とやる気を出していました。もちろんそのことについて、大学で机に座って教授方の話を聞くばっかりよりは、どいつ人やそのほかの国の学生に交じって日々生活していく中でよく知ることが出来ました。それと同時に、たくさん気づかされること、学ぶことがありました。それは、「海外の人々は自分の国のことをちゃんと理解しそれを相手に説明できる」ということ、そして「いかに日本人は自国のことを知らなさすぎるか」、ということでした。特に、私が出発したのが2011年3月16日。ちょうど東日本大震災後すぐのことでしたので、教室ではもちろん、物珍しさで話しかけてきてくれた人々までもが日本のことを心配し、励ましてくれました。しかし残念なことに、その被害状況や当時の日本の様子などを、うまく説明できなかった自分がいて、「ああ、ろくに自分の国のことも話せないのによくドイツという国について学びますなんて言えるなあ自分」と痛感しました。   

 しかしその日本に関する情報も、日本に対するイメージも、新聞記事や話の中で海外の人々が日本はどのような国か、どう考えているかなど、世界での日本の立ち位置を知ることが出来ました。そして同時にほかの国に対してのイメージをこちらからぶつけ、新たな情報も得ることも出来ました。
 ドイツに来て、自分や日本という国を客観的に「外国人」として見て知ることが出来たのです。  

 やっっとの思いでどいつに着き、浮かれすぎて荷物を取らずに入国。気づいた時には時すでに遅し。わけもわからないドイツ語と身振り手振りでなんとか受け取るも疲労感MAX。私の留学生活は決して幸先の良いスタートではありませんでしたが、
「留学してどうだった?楽しかった?」
 帰国して必ず聞かれることなのですが、この質問に対していい意味でも悪い意味でも「うん、楽しかったよ!」と答えることが出来ません。もちろん楽しいことは山盛りありましたし、心から自分は幸せだなと感じる日も多々ありました。でもそこに行きつくまでが本当に、想像以上にきつくて。それでも“楽しいことばかりでるんるん生活”ではなかったからこそ、そのすべての経験をひっくるめて、日本人がいる情報がない、日本の旅行がいどぶっくには載らないGreifswaldという小さな田舎町にぽーんと自分を放り込むことから始まった私の留学生活は「充実していた」と思えます。 


  • 優雅な休日。頑張って、うま。

  • Japan Klumbia Marokko あれ、顔が一緒…。
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