グライフスヴァルトでの生活

　私の留学したグライフスヴァルトは、静かでのんびりとした街でした。海が近いので、お魚が美味しかったです。自然も豊かで、夜道を散歩しているとハリネズミに遭遇します。街の人や同じ寮の住民はとても気さくな人たちが多く、バス停でどのバスに乗ればいいか迷っていると声をかけてくれたり、新しく引っ越してきたと挨拶に行くと辞書をくれたり、いろんな場面でお世話になりました。

　私の部屋がトイレの水で浸水した時、フロアの住民総出で部屋の水を拭き取りに来てくれたことは忘れられません。数々の失敗談も今では笑い話ですが、困った時に手を差し伸べてくれるグライフスヴァルトの人たちがいたからこそ、そんなふうに思い返せるのだと思っています。

授業

　最初の授業では、みんな早口でよく発言するので圧倒されてしまいました。こんななかでみんなと仲良くなれるだろうかと不安に思っていましたが、話してみると人懐っこい子ばかりで、すぐに仲良くなることができました。

　日本で授業を受けている時よりも、意見を求められることや発表の場が多く、話すときに緊張してしまう私にはいい経験になりました。
少人数のため先生（とってもとっても美人）との距離も近く、丁寧に指導してもらえたところが、グライフスヴァルト大学を留学先に選んで一番よかったと思える点です。遠足や美術館での授業もあり、楽しく学ぶことができました。勉強をするうえで本当にいい環境でした。

週末

　学校主催のツアーに参加したり、ピクニックやパーティーに出かけたり、時には一人旅をしてみたり、毎週のように何かしていました。
　学校のツアーは格安で手軽に行けるため参加してよかったです。ユースホステルに泊るので友達がたくさんできました。
これから留学を考えている人は、留学先でこういった学校主催のイベントをめいっぱい利用することをおすすめします。 　

長期休暇

　夏休みには、仲のいいグループで旅をし、イタリアで部屋を借りて２週間一緒に生活しました。朝起きて一緒に朝食を食べ、昼は電車にのって有名な都市をめぐり、夕方買い物をして夕飯を終えたらプールサイドでおしゃべりをする。何気ない日常の出来事も、みんなで生活しているというだけで楽しく感じられて、わくわくドキドキの連続でした。

　冬休みになるといよいよ街全体がクリスマスの雰囲気になっていました。いろいろな街のクリスマスマーケットに行きましたが、グライフスヴァルトのマーケットがこぢんまりしていて可愛くて、今まで行った中で一番好きです。クラス全員でパーティーを開き、自国の手料理を持ち寄って食べました。

終わりに

　異文化に接するなかで、自分とは全く違った環境で過ごしてきた人の思いも寄らない考え・価値観を知ることの面白さ、そういった人とも共感し分りあえることの嬉しさを、幾度となく感じました。そして日本の良さを改めて実感し、日本人であることを誇りに思いました。留学を通して得たこうした感情は、日本にいたら知りえなかったでしょう。もし今これを読んでいるあなたが、海外生活に不安を持ち、留学することを迷っているなら、難しく考えずにまず飛び込んでみてください。考えるだけでは見えてこなかったことが、いっぱいあるはずです。きっと何か得るものがあると思います。
　最後になりましたが、留学の際お世話になった先生方、国際交流センターのみなさん、本当にありがとうございました。