松本祥(ドイツ)

Wie war ich in Mannheim?(マンハイムでの10ヶ月)

マンハイム大学での授業風景

 僕は大学3回生の時、10ヶ月間マンハイム大学の語学学校に通っていました。ドイツにはその前に夏の語学コースで1ヶ月間だけ行ったことがありましたが10ヶ月という長い期間、海外で生活するというのは生まれて初めてのことで行く前には不安が沢山ありました。大学1,2回生の時、大学の授業にあまり行っていなかった僕にとって、語学力の無さというものがその不安を大きくさせていたと思います。

 

 マンハイム大学は僕が行く半年まえから留学先の候補に上ったまだ情報があまり多くない大学でした。マンハイムは小さい町で、観光名所としてもあまり有名ではありません、しかし昔の古いお城をそのまま大学のキャンパスになっていたり、町全体がそのお城に合わせて碁盤の目になっている、まるで小さい京都のようなところでした。学生にとっては生活しやすい町だといえるでしょう。


 他の魅力として、マンハイムには沢山のトルコ人がいます。トルコ人はとても陽気な人達が多く、また日本に興味を持ってくれる人も沢山います。そのおかげでマンハイムでは本場顔負けのトルコ料理を堪能することが出来ます。世界三代料理にも指定されているトルコ料理には野菜がふんだんに使用されていてとても健康的なものといえました。値段もとても安く、400円くらいでおなかいっぱいになるほどでした。僕はそのトルコ料理に魅了され、トルコに留学しているんじゃないかと錯覚を起こすほど毎日のようにお世話になりました。

 

 その他に、マンハイムの周りには有名な観光名所が沢山あります。ハイデルベルクや、フランクフルト、シュトゥットガルトなど、どこかで聞いたことのあるような場所に1時間くらいでいけます。その中でもハイデルベルクは夏に花火大会やクリスマスにはのみの市などイベント目白押しの場所なのでドイツに行ったら是非いってほしい場所のひとつです。

 

 僕の通っていた語学学校はマンハイム駅のすぐ隣にありました。そこには、もちろんドイツ語を1から学ぼうとするドイツ人なんていないので、全員他の国から来た生徒ばかりでした。生徒といっても僕と同じ位の歳の人もいれば、もう結婚して子供もいて自由気ままにやっているおばさんや、ドイツで仕事をすることになりドイツ語が必要となったおじさんなど、いろいろな人がいました。しかしほとんどの生徒はDSH(外国人がドイツの大学で学ぶための資格)の取得を目標としていて、授業内容もそれに向けた形で行われます。当たり前のように進むドイツ語だけの授業、聞くのに集中するだけでも大変なのに、そこから生徒同士のディスカッションが始まります。真剣にDSHを取得しようとする生徒達の影響をうけて僕自身も必死になって授業についていこうと努力しました。90分という日本の大学と同じ授業時間ですがとても短く感じました。

 

 午後からはそれぞれ自分の時間が与えられ、山のように与えられる宿題をしたり、スポーツをしたりと、自分のやりたいことができました。僕の場合、友人のつながりで週に2回剣道をしていました。自分より体のでかいドイツ人を相手にはたして僕の剣が通用するのだろうかと思っていましたが、やはり「侍魂」は僕の方に宿っていました。普段、ドイツ語で打ち負かされている分、そのうっぷんを晴らすかのように剣で打ちのめしてやりました。この自己満足的なストレス発散法のおかげで平常心をたもちながら生活できたと思います。

 

 今考えてみると、留学に行く前の不安はいつのまにか消え去っていたと思います。ドイツというまったく違った文化で生活するなかで、語学力が向上したり、日本では経験できないことを経験したり、他の国の友達が出来たり、色んな影響をあたえられたり、そんなことは当たり前です。でもそんな当たり前のようなことがこれからの自分の人生で深く一緒に寄り添っていってくれると思うとなんだか嬉しく思います。

 

 最後に、これから留学しようと考えている人、しようかどうか迷っている人は先生や先輩達からの情報を盗んで、自分の留学を成功させてもらえばいいなぁと思います。

 

 外国語学部ドイツ語学科
 松本祥

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