榊原英明(ニュージーランド)

英語圏の大学でドイツ語を学ぶ

大学での勉学について

マセイ大学の教室

マセイ大学での授業風景

ドイツ語学科の榊原英明といいます。2006年の3月下旬からニュージーランドのMassey Universityに留学しています。まず、ドイツ語学科なのになぜ英語圏を選んだかというと2004年に京都産業大学にドイツのコーラスグループが来たときにその時その人たちと一緒に観光したり、同じ寮に泊まったりしてとてもいい時間を過ごせました。その時に一番深く感じたことが言葉の壁でした。ドイツ語学科でしっかり勉強したのにドイツ語で全く話すことが出来ず、英語でコミュニケーションを取りました。ドイツの人も日本語がわからなかったのでお互い第二言語である英語で意思の疎通をしました。このときに言葉の大切さを知り英語かドイツ語をもっともっと話せるようになりたいと思うようになり留学を決意しました。ドイツ語学科の先生に留学について相談したら二つの選択肢がみえてきました。一つは、ドイツ語圏の大学に行き英語を勉強する、もう一つは英語圏に行きドイツ語を勉強するという二つの選択肢がだされて、英語圏でドイツ語の勉強もありかなって思い、人とは違った留学の仕方を決意しました。自分の場合は三回生が終了した時点で卒業単位をクリアしていたし、就職の事も心配する必要がなかったためこの選択肢を選ぶことが出来ました。ドイツ語学科の学生が英語圏に行くと、ほとんどの単位が特別英語などの単位となり、ドイツ語学科への単位への変換が難しいらしいです。


留学生を選考する面接の時に、交換留学生になるための英語のテストの点数が十分になかったため派遣留学生(語学学校に通う)として応募しました。その時に、国際交流課に二学期までに英語の点数が取れたら交換留学生にしてくださいとお願いしておきました。


ニュージーランドに来てからは必死で勉強して、どうにか二学期から交換留学生として受け入れてもらうことが出来ました。


ドイツ、アメリカ、ヨーロッパからの交換留学生と同時期に交換留学生になれたので、その時にこのマセイ大学でドイツ語を勉強しますって言ったらドイツの人たちとは共通の話題ができ、他の国の学生も興味を持ってくれて仲良くなれました。ドイツの人からは毎回大学で会うと今日は何を習った?ってきかれます。


この大学のドイツ語のクラスはすごく少なくて、今は自分を入れて4人。少人数なので話す機会もあるしみんな仲良くしてくれます。ついでにドイツ語の単語で○○○っていうけど英語でなんていうの?とか質問してドイツ語の授業中に英語の勉強も出来てホントにドイツ語の授業は面白いです。(たまに英語とドイツ語が混ざる現象が出るけど。)それにインテンシブで文法の基礎はわかっていたけど、英語でドイツ語のクラスを取るとどんな感じかわからなかったので初級のクラスにしたので、クラスメイトに英語で文法を教えないといけない時があってそれもまた勉強になります。 いろんな意味で京都産業大学のドイツ語学科に入ってドイツ語を専攻したことによってたくさんの得をした感じがします。

留学生活について

語学学校に行っている間は真剣に英語を勉強して、日本人とはなるべく話さないって決めていたので初めのころはつらいこと、寂しいこと、人間関係でいろいろ悩みました。でも、小さな目標を立ててそれに向かってがんばりました。まずは、交換留学生になること!その次は現地の学生と知り合うこと、というふうにやる気を持続させるよう努力しました。
語学学校の間はホームステイをしました。最初の家庭は犬がいて犬との相性が悪く二ヶ月目で変わりました。次の家は始めて留学生を受け入れるマルタ出身の家庭でした。交換留学生になれた時、寮に住んでみたいって言う思いがあったけど寮の人たちとうまくやっていけるかどうかなど悩んでいた時に、ホストファミリーに相談したら“自分がしたいと思ったことは、するべきだよ”ってすごく励まされて決断しました。こっちで差別的なことをされたときも、マルタ出身でその家庭も外国の人としてあつかわれることがあったらしく、自分の気持ちをわかってくれて本当にいい家族に恵まれました。ホストファミリーは本当にあたりはずれがあります。


寮を選ぶ時はあえて、留学生が少ない寮を選びました。本当は一年生用の寮だけど交渉次第で何とかなりました。寮は予想通り、アジア人には冷たい、話しかけてくれない、興味がない、みたいなことで挨拶しても無視とかされました。いまだにそういうことはあるけど自分が日本人だということがわかってる人はたまに話しかけてきます。とにかく、自分のなかでは住めればよし、って感じなので何も気にしていません。


クラスはドイツ語のクラスはインテンシブなみの時間割だけど初級ってことで何とかついていけます。他の授業も日本の大学で少し勉強したことのある教科を選んだので内容的には問題がないのですが、英語の聞き取り、意見を言うってのが難しいです。宿題も多いし大変だけど、寮の他の学生も毎日勉強しているからこれがこっちの大学のシステムなんだぁって思いました。クラスの始まった最初の時期に、同じクラスメイトの中からとにかく一人だけ的を絞ってその人と授業前に話すように努力しました。そうでもしないと友達を作るのは難しいし、授業とかについてわからなかったとき助けてもらえるし。どのクラスにも一人は友達を作りました。


まだ、語学の方は進歩がないけど、語学ってただ一年留学しただけで伸びるわけでもないし、勉強をやめてしまったら衰えるものだから留学後もやる気が燃え尽きないように、留学は次の段階の基礎を作っていくための準備だと思って、焦らずがんばっていきます。


外国語学部ドイツ語学科
榊原英明

ドイツ語学科教授より

ドイツ語学科からは英語圏などドイツ語圏以外に留学する人もいます。英語は言語の区分けとしてゲルマン系言語でドイツ語の仲間です。ですからドイツ人は一般に英語が得意です。ドイツ語を学ぶことで英語がよくわかるようになるということもありますし、英語をさらに学ぶことでドイツ語もよくわかるようになる相乗効果が期待できます。

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