「ドイツでの結婚・仕事・大学 ― 日本人としてドイツで生き抜くこと −」
卒業生による講演会開催!!

 去る2013年12月25日のクリスマス、皆さんの先輩にあたる2004年度ドイツ語学科卒業生、瀬川桃子さんによる「ドイツでの結婚・仕事・大学 ― 日本人としてドイツで生き抜くこと −」をテーマにした講演会が開催されました。

 海外で学びたい、海外で働きたい、外国で結婚もしようといったことに興味や関心を持つ後輩の人たちに、瀬川さんはご自身のドイツでのキャンパスライフや結婚に至るヱピソード、そして現在行っている仕事内容など、90分にわたって後輩のためになるようにと、楽しく、熱く、語ってくれました。まさにドイツの首都でのシビアな社会の中で揉まれながらも、家族を持ち、力強く生き抜いているという現在の生活を彷彿とさせてくれる、活気のみなぎった講演でした。

 講演者の瀬川さんは現在ドイツのベルリン在住で、ドイツ人の配偶者と共に音楽レーヴェルの会社を経営しています。彼女の講演によりますと、音楽レーヴェルでの仕事はプロデュ−ス、デジタル販売、ストリーミング配信、プロモーション等々、多岐にわたっており、加えて扱う音楽ジャンルもクラシックからJポップ、Gポップ、さらにはアニメ・ソングまで幅広く扱わねばなりませんから、大手レーヴェルの会社との競合もあり、なかなかに大変だとのことですが、彼女は主としてグラフィックや著作権データ管理などを担当して現在奮闘中とのことでした。

 瀬川さんの結婚と家族との生活では、「永住ビザ」取得に至るまでの苦労や結婚後も旧姓を持ち続けていることなど、日本女性の外国での生き方に関して、聴講者の皆さん、特に女子組の皆さんには大いに示唆に富むところがあったように思います。  現在のところ会社の仕事をこなし、家庭の主婦の仕事も行いながら、瀬川さんは学業の面でも、京都産業大学、そしてハンブルク大学での勉学を終えて、さらにベルリン自由大学・日本語学科の修士課程で研究を始めたところです。研究続行中の瀬川さんは、ドイツでの大学改革についての現状や、ドイツ語文化の中に取り入れられている多くの日本語を紹介、さらに日独間での価値観の違いなどを、様々な具体例でわかりやすく説明してくれ、職場での体験からドイツと日本での音楽の違法ダウンロードに関する異なった考え方や、著作権の相違などにも言及、講演の内容はグローバル化の時代にあっての、まさに「国際文化論」に発展していくところなど、興味の尽くせぬ講演になったかと思いました。

 最後になりましたが、講演者の瀬川桃子さんには短期の帰国期間にもかかわらずその間に、面白くて有益な講演をしていただいたことに、ドイツ語学科を代表して感謝いたします。そして、長い講演を関心をもって注意深く聞いてくれ、さらには先輩の講演者に対し、様々なユニークな質問を寄せてくれた後輩の学生諸君にも、この場を借りて感謝いたします。 (ドイツ語学科教員  生田 眞人)

  • ドイツでの結婚・仕事・研究を語る瀬川さん

  • ドイツにおける日本のアニメ・ソング販売の
    流れを紹介する瀬川さんと聴講者の皆さん

(写真は京都産業大学新聞局の提供による)

 
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