ドイツからボランティア活動の中間報告が届きました

 ドイツ語学科の川村幸輝君は、3回生の終わりに大学を1年間休学して、ドイツの国際平和村に飛び立ちました。そこでボランティア活動をするためです。

 今までもドイツ語学科で学んだ学生たちの何人かは卒業後に平和村でのボランティア活動に貢献(下記、活動記録を参照)してきましたが、休学をして平和村に行ったのは川村君が初めてです。最近は「ギャップイヤー(Gap Year)」が何かと話題になっていますが、今回の報告を1つのきっかけに自分の今できることを考え、学生時代にこそ様々なことに挑戦してみてください。

ギャップイヤー(Gap Year):
(英国をはじめ海外の大学では、学生が希望する場合、入学までの一定期間、あるいは在学中の一定期間の「ギャップ(「すき間」の意)」の取得を認める場合が多く、学生の一部はこの期間を利用して、留学やインターンなど海外で経験を積んだり、ボランティア活動などに充てています。これを一般的に「ギャップイヤー」と呼んでいます(「朝日新聞デジタル」より引用)。

先輩たちの活動の記録

「ドイツ国際平和村〜数ヶ月たった今〜」

京都産業大学 外国語学部 ドイツ語学科 川村幸輝

「アンゴラの子供達帰国パーティーにて」
写真提供:ドイツ国際平和村

「パーティーにてあるアンゴラの男の子」
写真提供:ドイツ国際平和村

 皆さん初めまして。私は、現在大学を1年休学し、ドイツのオーバーハウゼンという街にある「ドイツ国際平和村」というところでPraktikant(研修生)として働きながら暮らしています。ここでの生活も今月ではや4ヶ月が過ぎようとしています。皆さんはドイツ国際平和村とは何かご存知でしょうか?少しここで簡単なご説明をさせていただきたいと思います。

 ドイツ国際平和村は紛争で被害を受けた地域や、今もなお危険な状態である地域の子供たちを助け、また平和のための活動を行っている団体です。主な活動は3つに分類されて行っています。

  1. 「母国で治療を受けることができない重傷や重病の子供たちの治療をヨーロッパで行う。」
  2. 「現地の医療状況向上を目指したプロジェクト活動。」
  3. 「平和への関心を高めるための平和教育活動。」

以上の3つを主な活動として、さらなる活動の詳細などは残念ながらここでは紹介することができませんので、もしご興味をお持ちくださる方がいましたら文末のURLをご参照くださいますようお願い致します。簡単な説明しかこの場では出来ませんでしたが、私は現在このような団体で働かせていただいております。

 平和村には母国や人種が違うたくさんの子供達が暮らしており、また多くの人が働いています。様々な方面から多数の援助を受け、寄付金を頂き、このドイツ国際平和村の活動は成り立っているのです。多くの子供達はアフガニスタン、アンゴラから来ているのですが、他にも多くの国々から子供たちは平和村にやってきます。そんな様々な文化が入り混じるこの環境の中での共通語はドイツ語です。ここにやってくる子供達は当たり前かもしれませんが最初からドイツ語を話すことはできません。母国語もドイツ語ではありません。しかし、子供達の多くは巧みにドイツ語を操るのです。私が平和村に来て最初に驚いたことはこの点でした。どこでドイツ語を習ったわけでもなく、子供達はここで生きていく内に自然と生活の中でドイツ語を習得していっているのです。子供の力というものは本当にすごいものだと感じました。

 私がドイツ国際平和村に来てから感じたことはたくさんありますが、その中でも一番強く感じることは笑顔や友情には国や人種、手段など関係ないのだということです。ここで暮らしている子供達、働いている職員の方々、援助をしてくださる皆さん、そして私たちPraktikant。それぞれが国籍も違えば人種も違います。けれどその全員が何の隔たりもなく、偏見も持つことなく、一つとなって笑いあっています。まだ母国からやってきたばかりでドイツ語が喋れない子供もいます。しかし、笑顔になることにそのことは関係ありません。言葉が通じ合わない、そんなことは子供たちにとっては些細な問題なのです。たとえ言葉が通じ合わなくても、人種が違えど、ここに暮らしている子供達は一つとなって笑顔になることができるのです。友情を育むことができるのです。こういった認識が世界中に広がれば、きっと世界は平和になるのではないでしょうか。私はこのような素晴らしい環境で、素晴らしい団体で自分が活動できることを誇りに思います。大変なことも多いです。辛いこともあります。しかし、それ以上に自分が得るものは必ずあります。色々な面でまだまだ未熟な私ですが、残りの活動期間さらに色々なことを感じ、学び、子供達と共に成長していきます。

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