私の留学体験記

はじめに

 私は美術が大好きだったのでどうしてもフランスで美術館をまわったり、教会で宗教美術を見たりしたかったのでフランスへの留学を決めました。私はフランスのラングドック地方のモンペリエに5ヵ月、パリへ1ヶ月の留学へ行って来ました。ここに書くことは私の留学体験のほんの一部ではありますがこれから留学される方の参考になればと思います。

留学準備

 留学についてお話する前に留学準備について話さなければなりません。私の場合、ビザの他にも協定校への入学ではなかったので自分で語学学校への入学許可や下宿の手配をする必要がありました。8月からの留学で、いろいろな書類の作成を始めたのは同じ年の2月くらいのことでした。入学を決めたポール・ヴァレリーの入学に関するスケジュールを確認し、VISAの申請のための書類を作成しました。寮については先生に紹介していただいた先輩が前に住んでいた寮に直接メールを送って、入寮できるように交渉しました。この寮は一般的なフランス人の学生が多く在籍している寮だったので、求められる書類が日本ではそれに値するものがないEU圏に限定して発行される書類であったり問題点はたくさんありましたが、その度に先輩や先生の力を借りてなんとか入寮することができました。

モンペリエでの学校生活

 まずは学校生活についてですが、授業は週に4日間、日によって時間は違いますが10時から18時の間にありました。大学附属の語学学校なのでランチはカフェテリアでとっていました。私のクラスは特別に中国人が多く約半数は中国人、そしてあとはアメリカ人、スウェーデン人、台湾人、韓国人、インドネシア人、ドイツ人、ベルギー人、メキシコ人、コロンビア人など世界各国から集まっていました、ちなみに日本人は私ひとりだけでした。私が驚いたのは年齢層が本当に様々だということでした。私のクラスでは17歳〜54歳までの学生がいました。初めは同じ言語同士のもの、英語が話せるものなので固まってしまってしまいました。英語にもフランス語にも自信がない私は始めの頃は馴染めずに不安でいっぱいでした。私は学校にパソコンを持っていって写真を見ながら先生といろんなことを話すようになりました。するとクラスの仲間も「なに、なに?」と集まってきてそこからだんだん友だちが増えました。友だちができてみるとあまりうまくないフランス語同士通じ合うものがあるらしく、間違ってもいいじゃない?みたいな感じで気軽に話せるいい仲間がたくさんできました。私のクラスでは先生が積極的にレクリエーションを取り入れる方だったので、食事会を授業の中で開いたり、美術館にいったり親交を深める機会もたくさん作ってくれました。

クラスの集合写真

食事会


寮生活

 大学附属の語学学校はもちろん外国人向けの学校なので、フランス人はいません。でもせっかくならフランス人の友だちが作りたいという思いから、外国人留学生向けではない一般的なフランスの学生が住んでいる寮を選びました。最初に寮に入ったとき日本人は私ひとりしかいませんでした。始めの頃は話しかけてもらえても会話が続かずに相手が去っていってしまうことが多くありました。そこで私は共有スペースのキッチンに毎日、顔を出すようにしました。日本食を作っていると興味を持ってもらえて、会話をする機会も増えました。

寮でのパーティー


そこで私は密かに料理のときに使う言葉を頭に叩き込みました。すると以前よりずっと会話が続くようになり、「レシピを教えて!」とたくさんリクエストをしてもらい、寮の仲間とすしパーティーを開くこともできました。その後は夜遊びに出かけたり、映画を見に行ったり、仲良くなった友だちの実家に泊まりにいったりすることができました。こんなことができたのはやはり同じ寮で生活した仲間だから、ではないでしょうか。最初に寮に入るときには本当に苦労しましたが、この寮に決めてたくさんの人と出会うことができて本当に本当によかったと心からそう思っています。

プチ旅行

 フランスといえばたくさんの世界遺産がある歴史のある国です。私の語学学校には思ったより休みはなかったのですが、それでもいくつかの都市を周ることができました。南仏にはエクス=アン=プロヴァンス、マルセイユ、ニースなど名の知れた都市もありますが、小さな町でも観光に力を入れている都市は多く、カルカッソンヌやニームやセートそんな街に足を伸ばすことは留学中のたのしみでした。簡単に街の説明をするとカルカッソンヌは中世の城塞都市で白い壁に青い屋根のコントラストが最高に美しいところ。ニームはコロッセウムを見ることができます。セートは地中海を一望できる港町、小さいころ地中海なんて一生見ることはないだろうなぁと思っていたのですごく感動してしまいました。もっと休みがたくさんあればいいのにっと何度も思いました。

カルカッソンヌ

ポン・デュ・ガール


パリでの生活

 モンペリエで5ヵ月を終え、パリで1ヶ月間はホームステイをしながら私立の語学学校に通いました。私立の語学学校は大学附属の語学学校に比べて人数が少なく、会話が中心の実践に近い授業内容でした。ステイ先は60歳のマダムと私の2人暮らしをしました。60歳といってもとっても元気でパワフル、パッチワークのお店を開くマダムは本当に60歳?と疑ってしまうほどですぐに気があって好きな芸術家や写真家や作家の話を聞きながら夕ご飯を2人でかこむ時間は毎日の楽しみでした。また夕ご飯のときはたくさん質問もされるので会話の練習にもずいぶんなったように思います。語学学校は9時からとかなり早かったのですが、終るのは13時だったので授業のあとはほぼ2日に1度ペースで美術館やギャラリーを周りました。他の日は街を散歩したり、教会を回ったりしました。芸術の都に来たんだなぁと毎日実感しながらフランスの文化を体験し、パリの魅力をたっぷり味わうことが出来ました。

サクレ・クール寺院

ギャラリー・ラファイエット


最後に

 まったく頼る人もおらず日本語も通用しない生活の中にひとりで身を置くことは少し勇気がいることでした。中でも意思の疎通ができないことは生活環境の違いを克服する以前の苦難でした。しかし自分なりに頭を働かせながら、限られた時間の中で多くのことを学ぼうと努力しました。自分から何か働きかけることで友人も増えましたし、いくつもの貴重な体験をすることができました。そして辛いことがあったとき、いつも頭にあったのは家族や友人や先生のことです。フランスに快く送り出してくれた家族やいつでも相談に乗ってくれた友人、ご尽力頂いた先生方への感謝の気持ちを忘れないことで、ここでもしっかり生きていかなければ、1日1日大切に過ごさなければという前向きな気持ちでいることが出来ました。かけがえのないすばらしい時間が過ごせたのは支えてくださったすべての人のおかげだと心から思っています。留学生活で御世話になったすべての人に感謝の気持ちでいっぱいです。

外国語学部フランス語学科 半杭浩子