フランス語科学生がカナダのテレビ局のロケ撮影に参加

 カナダのケベックにあるテレビ局が制作する日本紹介の番組のロケ撮影に、京都産業大学フランス語学科の学生達と卒業生がアシスタントとして参加しました。
 ケベックはフランス語圏ですので、学生達はフランス語でプロの仕事に参加するという意義のある体験ができました。
 これは、撮影班の通訳兼コーディネーターを務めていた村田龍介さん(2007年度本学科卒業)からいただいた話に学生達が応募したものです。
 以下は、参加した学生達と卒業生の体験記です。

フランス語学科4年生 岡嶋佐知子

 カナダ・ケベックの番組制作会社のフランス語アシスタントとして、日本の観光スポットを紹介する番組製作に参加させていただきました。カナダ人のカメラマン、ディレクター、レポーターの方々と現在通訳として活躍されている先輩と大阪の海遊館に行き、まずは館長の方の説明を受けながら取材をしました。アシスタントとして飼育員の方に魚や水槽や海遊館と海外の水族館のつながりを質問し、教えていただいた話を、レポーターやディレクターに伝えました。
 撮影の途中でレポーターの方と話す日本人として少し出演させていただきました。番組の中で私は海遊館に対するイメージや評価の質問を受け、答えました。  水族館という場での取材や撮影では、魚の名前など普段の会話ではあまり使うことのない言葉を使わなければいけなかったので戸惑うことがありました。このような体験は自分の力はまだまだ足りないと実感できるきっかけになりました。
 今回この番組制作に参加させていただいて大変良かったことは、通訳として活躍する先輩の姿を見て『私ももっと話せるようになりたい!』と思いフランス語に対する向上心がさらに強くなったということです。またケベックの方や海遊館のスタッフの方々とフランス語を通して関わるという貴重な体験をさせていただいて、改めてフランス語の楽しさを感じることができました。
 私は留学して『フランス語を活かして仕事がしたい』という夢ができました。今回の体験でこの夢を実現したいという思いが強くなったと思います。今後もフランス語を勉強し続け、楽しんでいこうと思っています。

フランス語学科3年生 山田剛士

 5月の下旬頃、カナダはケベックのテレビ制作会社が京都の祇園でロケ撮影をするとのことで、僕はそこに出演するために、撮影に参加させていただきました。撮影スタッフは、ディレクター、カメラマン、レポーターのカナダ人3人に、通訳として我らが「京産フラ語」出身の村田龍介さんを加えた4人でした。レポーターのヴィルジニー・コーサさんは、ケベックでは有名なタレントだそうです。
 彼らと合流したとき、ちょうど休憩中だったようで、みんなで和気あいあいとアイスクリームを食べていました。彼らが話すのは、パリのそれとは違う、ケベック訛りのフランス語でした。挨拶を交わし、撮影に関する簡単な説明を受けた後、早速撮影が始まりました。撮影に入った途端、みんなガラっと雰囲気が変わって、「撮影モード」に突入しました。僕の役割は、カメラの前で、レポーターのヴィルジニーに祇園についてフランス語で説明することでした。
 京都の大学に通って3年になるとはいえ、祇園なんて滅多に行かないし、祇園に関する知識もありません。あるのは、祇園には舞子さんがいて、古い建物が建ち並んでいるというイメージだけでした。なので撮影の前に、「祇園というのはとても古い地区で、高級レストランがいくつもあるが、そこは一見さんお断りである。舞子さんがいるのは、京都でこの地区だけである」というようなことを言ってくれと言われました。とっさに吹き込まれた情報を、しかもカメラの前で話すというのは大変なことでした。うまく言葉にならず何度かカットになりましたが、なんとか無事に撮影を終えることができました。
 僕はこの撮影で、母国語(=日本語)ではなく外国語(=フランス語)で話すこと、それも覚えて記憶して頭に入ったものではなく、その場で与えられた情報を即座に頭で噛み砕いて口から出す。この作業がいかに難しいものなのかを、身をもって体験しました。また、彼ら撮影スタッフが、1つの作品づくりに対して、いかに真剣であるかを目の当たりにすることもできました。普段の生活においては決して味わうことのできない貴重な体験をさせてもらったと思います。

フランス語学科4年生 國藤アメリ美和子

 ケベックのタレントさんが日本で番組ロケを行う補助として友達と3回生の人とついて行きました。
 始め、どんなことをするのか知らなかったしケベックには訛りがあると聞いていたので役に立てるか不安でした。待ち合わせ場所につくとカメラマン1人、マネジャー1人、タレントのヴィルジニさんとフランス語学科卒業生の村田さんが待っていました。
 彼らに自己紹介したとき自分のフランス語が通じたので安心しました。
 その日の予定は、3回生の人は京都の町案内をして、その後わたしたちがプリクラ機の使い方を教えて一緒に撮るというものでした。
 スタッフの人たちは次の現場に移動する途中それぞれのデジカメで記念撮影したりとてもマイペースでした。撮影するときは特に何も指示されず、ヴィルジニさんと適当に話しながら歩いてゲームセンターまで行き、プリクラを撮っただけなのでとても簡単でした。
 彼女はとてもプリクラが気に入ったみたいで日本の技術に驚いていて嬉しくなりました。
 プリクラを撮ったとき次々にポーズを決めているのを見てやっぱり普通の人と違うことを実感しました。ヴィルジニさんはすこし訛っていましたがわかりやすく話してくれてとてもいい人でした。この体験では自分のフランス語力を試すことができて、またフランス語を活かした仕事にはこんなものもある事がわかり、いい体験になりました。

フランス語学科 2009年度卒業生 本田恵莉

 カナダ、ケベックのテレビ番組制作会社による東寺での撮影にフランス語アシスタントとして、参加させて頂きました。
 撮影の内容は、東寺で毎月行われているフリーマーケットをケベックのタレントであるヴィルジニーと話しながら散策して、フリーマーケットをしている日本人との通訳、また商品をフランス語で説明するというものでした。
 撮影当日、東寺に着いた私は、現在フランス語を使って通訳などの仕事をされている先輩、村田龍介さんと再会しました。そして、ヴィルジニーとスタッフの方々を紹介してもらいました。彼らに会うまで、とても緊張していた私ですが、彼らは、とても気さくで優しく、すぐに緊張は解けました。始めに、私が話すことを教えてもらい、ヴィルジニーとフリーマーケットの説明をカメラに向かって話しました。一度、カメラは止まり、ヴィルジニーとフリーマーケットを見て歩いていると、いつの間にか撮影は再開していました。フリーマーケットでしか見かけないようなものの説明は、大変難しかったです。また、日本人であっても、何かわからないものがあり、自分のフランス語力の乏しさ、日本のことに対する知識の少なさを痛感しました。それでも、なんとか撮影を終えました。
 この撮影に参加して、フランス語と日本語という2つの言語を操って働くということの大変さ、楽しさ、自分が話す外国語によって、日本のことを知ってもらえるという嬉しさを学びました。また、大学で学んだフランス語を使って働かれている龍介さんを見て、言語を扱う仕事の素晴らしさを知り、私も今年2009年度に京都産業大学を卒業しましたが、もう一度フランス語を勉強したい、フランス語を通して、多くの人々と交流したい、やはりフランス語は楽しいという気持ちになりました。
 最後になりましたが、このような本当に貴重な体験をさせて頂き、ありがとうございました。この経験をこれからに活かしていきたいです。

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