2007年度英語教育研究会活動報告

 京都産業大学英語教育研究会は、創立から26年が経ちます。毎年、中学校・高校の先生方に、最新の英語教育論などの学問的なサポートを提供するために活動しています。また、この活動は、我々が中学校・高校教育の現状を知る大切な機会でもあり、更に教職を望む在学生が、現役の先生方との接触を通して、自らの勉学に具体的な目標を見つけるきっかけともなっています。

 2007年度は、キャンパス・プラザ京都の京都産業大学セミナー室において開催され、部屋一杯の35名の出席者を集めて、盛会のうちに閉じることができました。

 最初の基調講演は、岐阜大学教授の寺島隆吉氏によって行なわれました。「今、英語教師に最も求められていること」という演題で、教授法の基本を踏まえたうえで、視野を広げた観点から学生の向学心を刺激するような教授方法の必要性を強調されました。休憩を挟んで、次の講演は、本学外国語学部英米語学科主任の大和隆介教授で、「言語学習における個人差要因と学習ストラテジー」がその演題でした。教授実践と調査に基づいた英語教育の指針方法は、中学、高校の現場で教えている教諭たちにとって有益なものでした。

 続いて、2つの実践報告がありました。一つは、今多くの学校で取り組まれようとしているIT機器を用いた英語教育の実践報告でした。本学の卒業生で、現在、月の輪中学校の教諭をしている斉藤由紀子さんによるものでした。もう一つは、聴覚障害者を対象とした英語教育の実践報告で、健常者と同じ環境で、彼らに語学を教える必要性と工夫を報告したものでした。これは本学卒業生ではありませんが、岐阜聖徳大学の非常勤講師の伊藤素子さんが行ないました。上記いずれの報告も、現代の英語教育に必須の問題点を鋭く指摘していました。

 この研究会の内容は、年明けに発行される予定の「報告集」で紹介されることになっています。

 研究会が終わって思うことは、このように充実した研究会が、特に英語教育の大学院を持つ英米語学科にとっては、今後、ますます重要な役割を演じることになろうかということです。
これからも、ますますいい研究会にして行きたいと思っています。

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