法学会 秋季講演会 開催報告

 京都産業大学法学部の教員と学生で構成する京都産業大学法学会の秋季講演会が11月11日、神山ホール大ホールで開催された。

 9月に米カリフォルニア大学バークレー校での在外研究から帰国された法学部 滝田豪 准教授が「中国外交と日本」と題し講演。法学部の学生や院生などが聴講した。

 滝田准教授は、深い洞察と明快な分析に基づき、近時の日中外交の緊張に対して日本が取りうる選択肢を示した。まず、尖閣諸島をめぐる両国の主張の分析から、国際法上日本側の主張がより強いとしても、法的解決だけでは十分でなく、政治的解決が不可避であるとされた。そして、近年の中国の米国重視、対日強硬姿勢の背景には、中国における日本の経済的重要性の低下と中国国内の権力の多元化があると指摘しつつ、それでも日中両国が共に米国との協調路線を共有する点に日中の緊張関係を打開する可能性を見出しうると結ばれた。

 参加者は、広い視野から冷静に現実を分析される滝田准教授の大変分かりやすい語り口に一心に耳を傾けていた。

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