京都産業大学法学会春季講演会
日墺外交140周年記念講演会

 日本とオーストリアの国交が開かれたのは、1869(明治2)年調印の日墺修好通商航海条約によってでした。今年は、日墺修交140周年という記念の年にあたります。
 日本とオーストリアとの関係は、この日本にもっとも不利な不平等条約によってはじまったのですから、かならずしも幸運に恵まれた関係とはいえないものでした。しかし、その後の両国の関係はしだいに深まります。法や政治の分野にかぎっても、ウィーン大学の国家学者ローレンツ・フォン・シュタインが伊藤博文らをとおして帝国憲法制定など明治国家の建設につよい理論的影響を与えたことは、よく知られています。また、条約改正に尽力したオーストリア公使ハインリヒ・クーデンホーフ=カレルギー伯爵は日本人の光子を妻とし、この二人の間に生まれたリヒャルト・栄次郎・クーデンホーフ=カレルギーはジャーナリスト・政治家となり、汎ヨーロッパ主義を提唱しました。彼は「欧州連合の父」と呼ばれています。

 今年は、「日本オーストリア交流年2009」として、さらなる友好関係の深化をめざして、日墺両国で多彩な催し事が行われています(http://www.austria-japan2009.org/)。本学法学会でも、在日オーストリア大使をお迎えして講演会を開催することといたしました。日墺関係の140年をふり返るとともに、今後の友好について考える絶好の機会になると思われます。

日時 2009年6月12日(金)13:15〜14:45
場所 神山ホール大ホール
テーマ 140年間のオーストリアと日本の外交関係
講師 ユッタ・シュテファン=バストル 博士 Dr. Jutta STEFAN-BASTL
駐日オーストリア大使
通訳 ジョナサン・オーグスティン 博士 Dr. Jonathan AUGUSTINE
京都工芸繊維大学 工芸科学研究科 准教授

シュテファン=バストル大使の略歴

1946年グラーツ生まれ。グラーツ大学法学部卒。法学博士。
1972年オーストリア外務省入省。駐スロベニア大使、在ウィーン欧州安全保障・協力機構(CSCE)オーストリア政府代表、駐インド大使を経て、2007年6月より駐日大使。

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