学部長メッセージ

法学部で学ぶということ

法学部長 高畠 淳子
大学時代というのは、よく学び・よく遊ぶことを通じて、「ちゃんとした社会人」になる準備期間でもあります。ここで言う社会人とは、企業や地方政府などに就職して働く人のことだけを指すのではありません。家族や学校、職場やご近所・町内など、いたるところにある人と人とのつながり、つまりは「社会」を構成する人という意味です。

「ちゃんとした社会人」とは、価値観の異なる人たちのことも理解できるような人であり、自分の考えを言葉にして丁寧に伝えることのできる人であり、そして社会の基本的な仕組みについてもある程度知っている人なのだと思います。

法学部では、さまざまな立場や利益、価値観の違いから生じる社会の紛争や対立、困りごとをどのようにして解決するべきかを考えることを通じて、社会を維持・発展させていくために必要な考え方や知識、バランス感覚を身につけていきます。

法学部で学ぶことを通じて、やがて社会の中でリーダーシップを取る人もいることでしょう。しかしながら、多く人はむしろフォロワーとして、社会の中での役割を果たしていくことのほうが多いのです。最初から良いリーダーを選ぶということは、それほど簡単なことではありません。しかし、リーダーを育てることはできます。リーダー(=先導する人)というのは、フォロワー(=後に付いてきてくれる人)がいなければ存在できません。誰も付いてきてくれないリーダーというのは、ただの孤立した変わり者にすぎないからです。ですから、自分たちのリーダーを良いリーダーに育てるためには、ダメなリーダーには従わず良いリーダーにだけ付いていくという、適切な「フォロワーシップ」が必要になるのです。

「ちゃんとしたリーダー」を見極めるフォロワーシップを備え、ときにはリーダーの役割も果たすことができる。そうした「ちゃんとした社会人」を送り出すのが京都産業大学法学部の役割であると、私たちは考えています。
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