将来の進路(一例)

弁理士・弁護士

 弁理士や弁護士は、独立して事務所を構え、国内外の企業や大学などの組織から委託を受けて、知的財産権の開発、保護と活用、紛争の解決などの具体的な手続きを遂行します。
 特に、弁理士は高度な専門職として、日本特許庁に対する特許、実用新案、意匠、商標などの出願から権利取得まで、さらに民事紛争における裁判手続きなどを行います。弁理士でないものは、企業などからの委託を受けて、これらの手続きを行うことはできません。
 近年、日本特許庁が行う資格試験には毎年約700人程度が合格し、現在日本では総数約7,000人程度が弁理士として登録されています。
 最近1年間の特許出願数は約40万件、意匠登録出願数は約4万件、商標登録の出願数は約15万件ですから、これら総数約60万件の日本特許庁への出願手続きを、約7,000人の弁理士が分担して担当していることになります。

製造企業の知的財産部門や法務部門に勤務する社員

 例えば製造企業では、グローバル化された市場経済社会の中で生き残り、より発展するには独自のコアビジネス、すなわち他企業との差別化が重要です。そのために、日夜あたらしい科学技術の創造に取り組んでいます。そして、これらの成果を各国の法制度に従って的確に知的財産権として確保すると同時に、有効に活用することを通じて社会に役立つ商品を生産し、販売し、輸出するなどのビジネスを推進 しなければなりません。これによって、企業は社会に貢献することができると同時に、生き残り発展することができます。
 これら企業の知的財産部門や法務部門に勤務する社員は、それぞれの企業が産み出した知的財産を、各国の法制度に従って、特許などの権利として確立すると共に、その特許を使ってビジネスを推進したり、他の企業にライセンスを供与して活用するなど、国際産業経済が円滑に発展するための重要な部門を担います。

サービス産業に分類される各種の企業

 製造産業だけでなく、近年は各種サービス産業に分類される企業でも、知的財産に関する業務が重要となっています。
 例えば、銀行を始めとする金融業界では、画期的な独自技術を研究しているベンチャー企業の、特許を初めとする知的財産を担保にして資金を融資することが増えています。これら新興企業の知的財産権取得を支援し、その価値を正しく評価し、有効に管理運用することができる人材が強く求められています。
 放送、出版、マスコミなどの業界でも、従来型の印刷物、テレビ放送などの単純な情報配信だけでなく、映像、音声、文字情報などが一体となったマルチメディア形式で、インターネットなどを通じて情報を配信することが増えています。このような情報流通の形態は、1つの元の情報(コンテンツ, contents)が様々な形態で利用されることを示しており、これは「ワン―ソース・マルチ―ユース」(one source multi use)と呼ばれます。この情報の利用形態で重要なのが、著作権の適切な確保と管理、そして有効な利用です。
 従来は、創作されたコンテンツの著作権が上手く管理されていなかったため、せっかくのすぐれたコンテンツをインターネットなどを通じて多くの利用者に低価格で提供できていない事例が多くあります。
 従って、これらの業界でも、今後、適切な知的財産の管理を担える人材が多く求められるでしょう。

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