青山 晶子 さん

略歴

京都市立銅駝美術工芸高等学校 洋画科 卒業
外国語学部言語学科スペイン語専修 2004年3月卒業
青年海外協力隊として中米コスタリカで活動中
(2008年2月現在)


海外での活動について

 

 現在、私は青年海外協力隊として中米コスタリカで日々活動しています。派遣期間は平成19年9月から平成21年9月までの2年間で、職種は村落開発普及員といい、私の場合、主に国立公園付近の村々のエコツーリズム発展が目的です。活動及び滞在地域は協力隊の醍醐味ともいえる地方(田舎)で、火山が連なり周りは牧場や畑といった、のどかな風景のあるところです。
 大学を卒業後、地元京都の企業で3年間主にマーケティング部の一員として働いていました。「商品をアピールし、モノを売ること」=「村をアピールし、観光客を呼び込むこと」はほぼ同じ原理だと思いこの職種で参加し、今、村という生きているものをそこで生活する村人たちと一緒に切磋琢磨して発展させていく難しさと楽しさを味わっている最中です。まだ始まったばかりのこのプロジェクトは、みんなの士気を上げていくところから、役割分担、お金の流れの整理、プロモーション活動など課題だらけ。しかし、何もないところからのスタートだからこそ、そして村人たちと一緒だからこそやりがいがあります。
 また、日本人というだけで珍しいので顔や名前を覚えてもらいやすく、日々色んな知り合いを増やし、活動の幅を広げていっています。本当に良い縁に囲まれていて、人を大切にするという人間として当たり前のことを再度実感、実行しています。


 

中米 コスタリカについて

 
 

 滞在しているコスタリカですが、訪れる前までは“中米のスイス”“安全”と勝手に想像していました。私が今住んでいるところは確かにスイスと呼ぶにふさわしい、標高が高く本当に美しい景色のある地域です。しかし、大都市、及び近郊の町における大気汚染、ごみ問題、近年における極端な治安の悪化など、発展途上国としての負の部分も多く見られます。一方その負の部分では、私の住んでいる地域はあまり感じることはなく、日本と比べると本当に社会的にも人間関係的にもストレスフリーでとても健康的。私としてはここの生活に満足していますし、忙しい日本人の知人たちにも一度訪れてもらい、何か感じてほしいな、とも思っています。
 地理的には、日本の7分の1ほどしかない国土ですが、カリブ海、太平洋、私の住む内陸山脈地帯、盆地などこの国の気候は多岐に渡っています。ちなみに私の住む地域は、おそらくコスタリカの中でもかなり寒い地域で、夜は3度くらいまで冷えることも。コスタリカ=トロピカルと、ひとくくりにはできません。
 私がコスタリカで一番恩恵に授かっているものは、「豊富な果物」です。果物といっても、日本では貴重なマンゴ(マンガという種類もあり)、パパイヤ、メロン、パイナップルをほぼ毎日食べます。また、今まで他の国で見たこともないような、野菜や果物がたくさんあり、どれも本当においしいです。

 

外国語学部で学んだことが、どのように活かされているか

 私は、高校時代に南米チリに留学していたことがあり、大学に入った頃、スペイン語は初めてではなかったのですが、一度もきちんと習ったことがなかったので基礎や文法が曖昧なままでした。しかし、スペイン語専修で基礎を学びなおし、また大学3年の時には再度チリへ留学する機会をいただき、大学での政治や歴史の講義などは日常会話では出てはこない専門用語に苦しみながら多くのことを学びました。
 それらの経験と、社会人としての経験をフルに活用して、国外で若い時分にしかできないことをやってみたいと思った結果、青年海外協力隊に応募することにしたのです。
 卒業し一般企業に入った時は、スペイン語と離れてしまうようで悲しかったのですが、3年後このような形で中米に住むことになろうとは思ってもみませんでした。
 英語が主流の日本で、英語もろくに話せないのにスペイン語を縁あって学び始めて、早10年(途中放棄していたことも数年ありますが)。今、スペイン語という言語で特に不自由なく日常会話ができること、それは、話せない私に付き合ってくれたチリの人々、きちんと文法を教えてくださった大学の先生方、そして家族・友人をはじめ多くの人々の支えがあったからこそ。
 感謝の気持ちを胸に、明日からも中米の小さな国の小さな村で小さな活動を積み重ねていきます。

 
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