三好 ちづ子 さん

略歴

外国語学部ドイツ語学科 1997年3月卒
キンシ正宗 京都町家麦酒醸造所
(2008年1月現在)


地ビール3本セット

 皆さんこんにちは、三好ちづ子です。私は、1997年に本学外国語学部ドイツ語学科を卒業しました。現在はキンシ正宗グループマツヤ株式会社【京都町家麦酒醸造所】にて工場長として働いています。

 

 町家麦酒醸造所は今年10年目という節目を迎えました。同時にわたしのビール職人としてのキャリアも10年を迎えたことになります。ドイツ語を本学で学んだことがきっかけで、偶然ビール職人という道を歩くことになり10年、あっという間でした。卒業後、留学準備のためのアルバイト探しで出会った職業がビール職人でした。地ビール造りを始めるプロジェクトを進めていた会社に偶然面接を受けたのです。はじめは「ビールなら少しはドイツと関係があるかも。ドイツに行かせてもらえるかも。」と思い気軽に始めたアルバイトでした。

 

 初めは慣れない機械との挌闘の日々でしたが、はまる性格が幸いしたのか地ビールの魅力にとりつかれてしまいました。仕事は、ビールの仕込みから瓶詰め、試飲販売など配達以外は何でもしています。もちろん、レシピの確認に本場ドイツのビール醸造所にも行かせてもらいました。多くのドイツ語のビール文献からも知識を吸収することができるのも、ドイツ語学科出身の私の強みです。ビールといえばドイツ、ビール文化についての知識も興味深く充実した毎日を過ごしています。女性のビール職人という珍しさも手伝って、テレビや雑誌取材、講演会などにも行かせていただいています。

 

 私がなぜドイツ語を学びたいと思ったか。それはベルリンの壁崩壊と東西ドイツ統一の瞬間をテレビで見たことが始まりでした。なぜ人々があんなにも歓喜しているのか、自身の感動とともにより深く知りたかったのです。余談ですが、先日テレビの撮影でレポーターの服部真湖さんにお会いしました。私が前述のドイツ語を学ぶきっかけをお話すると、あの時偶然西ベルリンにおられたのだそうです。壁崩壊のその瞬間のお話をお聞きすることができ、あらためて感動しました。

 

 学生時代は外国語学部の授業の大変さに泣かされた一人でしたが、1回生の春休みにドイツへの研修旅行に参加し、同じようにドイツで日本語を学ぶ学生達と出会い彼らの語学を学ぶ姿勢に触れてからは自分でも驚くほど勉強をしたと思います。それは彼らの多くがドイツ人学生ではなかったからです。チェコやポーランド、イタリアなどからドイツに留学しそこで日本語を学んでいるのです。母国語ではないドイツ語で日本語を学ぶ、私もドイツ語を学ぶだけではなく、ドイツ語でドイツ学を学ばなければだめだと感じたのです。それからの三年間はドイツ語はもちろん、文化やヨーロッパ史についてゼミナールなどで学びました。

 

 また四年間こども文化クラブに所属し、多くの保育園などで人形劇などの活動をしました。四回生時には志学会執行委員会にも所属させていただき多くの団体の方がたとも知り合うことができました。クラブと委員会の仲間とは現在も会えば学生時代に戻ります。本学が総合大学であればこそ、この個性豊かな仲間達とも出会えたのだと思います。

 

 もちろん学部の友人達もそれぞれのフィールドで活躍しています。ドイツに留学、永住した人、アメリカで日本語教師になった人等など会えばお互い刺激を受けることができる、大切な友人達です。

 

 在校生の皆さんも学生時代によく学びよく遊び充実した毎日をすごしてほしいと思います。未来は私のように偶然思いもよらない展開が待っているかもしれません。でも、学生時代の時間は大切な自分の核となることはまちがいないのです。皆さんが一人一人の夢に向かって雄飛されること心より願っています。

 

 ぜひ町家麦酒醸造所にもビールを飲みにきてくださいね、お待ちしています。

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