遠井 健次 さん

略歴

出身校:大阪府立吹田東高校 卒業
外国語学部中国語学科 1996年3月卒業
滞在国:中国上海市
勤務先:アークレイ(株)の上海現地法人
(2007年10月現在)


 

 みなさん初めまして。1996年に中国語学科を卒業しました遠井健次と申します。
 現在、京都が本社の医療器械メーカーの上海現地法人に出向。現地駐在員として上海に暮らして3年半になります。

 

 上海は中国最大の都市として、この20年著しい経済成長を続けています。毎日どこかでビルが建ち、地下鉄が開通し、コンビニやATMができるなど、日に日に生活が便利になっていくのを実感できる街です。

 

 私の社宅のベランダからも完成すれば中国一となるビル「環球金融中心」(通称:上海ヒルズ)が見えます。現在突貫工事が急ピッチで進められており、上へ上へと伸びて完成に近づいている様子を眺めるたびに上海の発展とかぶり、改めてこの街のスピード感を感じます。

 

 そんな成長著しい中国では、先進国と同等水準の高度な医療を求める富裕層が増えており、病院でも最先端の医療設備の導入が進められております。私達の会社は糖尿病に関連した医療器械を日本で開発・生産、輸入し、中国の病院や薬局に販売、糖尿病治療の啓蒙活動を展開しております。

 

 普段の仕事における言語はもちろん中国語です。社内スタッフとの会議を始め、代理店やユーザーからの電話問い合わせ対応、出張して訪問した病院のドクターや看護師とのやりとりなど、中国語を使わない日はありません。

 

 中国では他の外国のように英語を話せる人口が極めて限られているため、現地で仕事や生活をしようと思えばやはり中国語が話せると格段に便利です。その点大学時代に学んだ中国語は大変役に立っています。

 

 また私は在学中に休学し、2年間中国へ留学したのですが、このときの経験が今の仕事にも大変役にたっています。現地の寮に住み、路地裏の屋台で食事をし、地元の人の生活に入り込んで暮らしたことで、中国人のものの考え方やその考えの基礎となる背景が体感できました。また留学中は長期の休みになるとできるだけ中国を旅行し、多様な文化、民族を見てまわるように心がけました。

 

 現在外国語を学び、今後仕事で役立ていこうとされているみなさんに私から言えることは2つあります。

 

 1つは「外国語の習得にはお金と時間がかかる」こと。使いやすい辞書や優れた教材は高額ですし、海外旅行や留学になると多額の出費になります。しかしそれらをケチると学習環境が悪くなってしまいます。また外国語の学習に王道はないということです。楽をせず、ひとつひとつ単語を覚え、発音を習得していく地道な作業が必要で、これは時間がかかることを覚悟する必要があります。

 

 2つめは「言葉だけではなくその国の人の行動様式や思考傾向を理解する」こと。それを理解していれば、言葉だけに頼らない、深いコミニケーションができるようになります。なぜ彼らはそう考え、行動するのか、その原因となる社会事情や歴史背景を理解しておくことです。意思疎通がしやすくなるだけでなく、意見の衝突があった際のストレスも軽減されます。それにはやはりその国を紹介した本を読んだり、その国の友人を作ったり、現地へ旅行、留学したりするのが一番だと思います。

 

 社会人になると、仕事に追われ、無理やり作りださないと時間はどんどんなくなってしまいます。その点時間が十分にある学生時代に、自分のしたいことを見つけ、自己のレベルアップに大いに時間を使うようにするといいでしょう。皆さんの学生生活が更に充実したものとなることを願っております。

 

上海生活のブログを書いております。ご興味あればご覧下さい。

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