鳥前 聖香さん

略歴

2006年4月 大阪国際滝井高等学校 国際科 入学
2007年9月〜10月 高校の交換留学制度を利用しカナダ研修(6週間)
2008年3月 大阪国際滝井高等学校 卒業
2008年4月 京都産業大学 外国語学部フランス語学科 入学
2009年2月〜7月 アンジェ・西部カトリック大学へ認定留学
2011年3月 京都産業大学 卒業
2011年4月 株式会社スギノマシン 入社
現在    同社 海外事業部貿易課配属 (東京勤務)

 大学での4年間があるから、今の自分があると私は思います。私は、高校時代のカナダ留学を機に、真剣に海外で働くことを考えるようになり、大学では迷わずフランス語を専攻しました。理由としてまず、フランスというネームバリューと憧れ、次に国際公用語としてフランス語が認められていたこと。これからの時代、英語必須、プラス第二外国語習得の必要性を強く感じていた私にとって、ぴったりの言語だと思いました。

 入学していざフランス語を勉強してみたら、知っているフランス語なんて「BONJOUR」と「MERCI BEAUCOUP」くらいで、それ以外はちんぷんかんぷんでした。英語に少し自信があった私にとって、出鼻をくじかれた気分でした。しかし、フランス語を勉強するからには中途半端なことはしたくないという思いが強かった私は、往復3時間弱かけて大学での勉強とバイトに時間と費やす日々を過ごしました。やがてフランス語が少しずつ分かるようになり、さらに勉強の意欲を増していき、もっとフランス語を話せるようになりたいと思うようになり、大学2回生の終わりに人生の転機が訪れました。それは約6か月間のフランス留学。以前から留学したい気持ちはあったが、金銭的に留学するか迷っていた私を後押ししてくれたのは、大学の先生方と母でした。母の「迷っているなら行きなさい、自分に投資すべき」との言葉が決め手でした。
 一難去ってまた一難。フランス生活当初は、聞き取れるフランス語なんてほんの1割程度。自分には実践的なフランス語が身についていないことを痛感しました。一番つらかったのは、学校での授業、特にプレゼンやディスカッションがメインの授業でした。聞き取ることもやっとの私が、自分の意見をフランス語で発言できるわけもなく、同クラスの外国人留学生の発言力に圧倒されっぱなしの毎日でした。しかし、一か月を過ぎたころから耳も慣れ始め、フランス美術の授業では絵画の細かいタッチ技法や画家の人生について、QUOTIDIEN FRANÇAISの授業ではフランスの結婚・離婚事情など、さまざまの分野の授業を通して、日本では味わうことのできない生のフランスを感じることができたのは本当に良い経験だったと思います。授業の後には、BARへ行きみんなでお酒を飲み、休日は電車で近くの海や湖、美術館めぐりをしたりと充実していました。辛いことも多かったですが、その分得たものも大きかったです。

 フランスでの6か月間は大学4年間の間で一番充実し、多くの刺激と経験を与えてくれた期間です。また、フランス留学を通して、海外で【MADE IN JAPAN】の人気が薄れつつあることを実感し、日本のモノづくり企業で働きたいという思いを早い段階で見出すことができました。そのブレない軸(モノづくり企業・海外進出)を持って就職活動を行ったからこそ、今の会社に出会えたのだと思います。
 今のみなさんには、色んな体験や経験を積んでいただきたいです。私の場合、大学時代のバイト、留学、海外旅行、国際ボランティアで培った経験や知識が意外なところで役に立ったり、話のネタになることがよくあります。大学時代が一番自分のために時間を費やせる時です。私も大学生の時に諸先輩方からそう言われましたが、働いてやっとその理由がわかった気がします。京都産業大学の4年間をくいの残らないように一生懸命楽しんでください。みなさんのご健闘を祈っております。

仕事内容

 現在の私の仕事内容について少しお話しします。大学卒業後、富山に本社を置く機械メーカに入社、海外事業部貿易課に所属しています。入社1年目は【船積み】業務、主に弊社商品を海外のお客様へ輸出する際に必要となる書類の作成、SHIPMENTの手配、海外子会社やお客様(海外代理店)とのやり取りなどをメインに行っていました。2年目以降、海外営業の仕事を少しずつ初め、海外代理店とのやり取りが増え、それにより英語を使う機会も増えてきました。1年目から希望していた海外事業部で働けたことは自分にとって、とてもプラスになりました。オフィスでは英語が飛び交い、海外営業の先輩方は、1ヶ月1度のペースで海外出張に行かれています。そういった環境の中で、現在の日本の製造業や海外市場の動向を肌で感じながら仕事しています。
 今後、弊社もグローバル化が進み、近いうちに海外事業が国内を上回るようになります。弊社では今年フランスに現地法人を設立し、今後ヨーロッパ市場進出にさらに力を入れていく予定です。仕事でのフランス語を使う頻度は、たまに翻訳を依頼される程度ですが、以前よりもフランスとの仕事に携わる機会が増えると思うので、チャンスをものにすべく今後もフランス語力のブラッシュアップ、日々の業務に努めていきたいと思っております。

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