久留米 小夏さん

略歴

2006年3月 京都府立山城高等学校卒業
2006年4月 京都産業大学外国語学部言語学科スペイン語専修入学
2008年2月〜2009年 3月 メキシコ国立自治大学 (UNAM) にて交換留学(奨学生)
2010年3月 京都産業大学外国語学部言語学科スペイン語専修卒業
2010年4月 グアダラハラ日墨文化交流学院 常勤講師として就職
現在に至る

 どんな学生生活を送っていたか

 大学を決める時、迷うことなく外国語学部がある大学を探しました。単に、外国に興味があり、何より、好きだったからです。そして、英語や中国語だけではなく、多様な言語がある大学を探していたところ、京都産業大学に出会いました。

 京都でも数少ない総合大学でありながら、スペイン語やフランス語、またインドネシア語といった、マイナーな言語まで取り揃えている京都産業大学はかなり魅力的でした。 そこまで多様な言語や、総合大学にこだわったのは、視野や考え方、生き方に幅が出ると考えたからです。

 学ぶ専門が違えば、性格や思考も多種多様。実際、私は様々な素晴らしい先生方に出会い、友人に出会って、考え方や生き方の幅が広がったと思います。

 週に1度のサークル活動は、勉強とアルバイトの良い息抜きになりました。文化祭前は夜遅くまでみんなで残って、部展の準備をしたり、またスペイン語のゼミの方でも、ゼミの仲間と買出しに行ったりと、大学生でも気分は高校生のように楽しみました。それもこの大学の魅力だと私は思います。 スペイン語学科は一学年に1クラスしかないので、団結力が高く、クラスの雰囲気がとてもよかったのが印象的です。先ほども書いた文化祭などのゼミ展でもその団結力の良さがかなり発揮されていたと思います。

 授業でも、少人数制は私にとってとてもよかったです。先生が私たちひとりひとりを見てくださって、コミュニケーションする時間をたくさん持てたからです。やはり外国語を学ぶ上で大切なのは、コミュニケーション。少人数だからこそ出来る授業で私のスペイン語力が強化されました。

留学先での生活

 1年次が終わる頃、中学の頃から夢見ていた海外での生活、留学について真剣考え始め、交換留学があることを知りました。

 交換留学で行けば、留学先での学費が免除される上に4年で卒業できるということを知り、この奨学金を得るため必死で勉強しました。この奨学金を得るためには1年と2年次の成績が重要視されるのですが、1年次さぼっていた私は必死でした。今思えば、さぼっていた頃の成績に目をつむって下さった先生方に感謝です。

 UNAM(メキシコ国立自治大学)のCEPEという外国人のためのスペイン語学校で勉学に励みました。言語学校と言ってもスペイン語を学ぶだけではなく、メキシコの歴史や地理、文化、舞踊、料理、また写真やパソコンのクラスなど様々なクラスを、もちろんスペイン語で取ることが出来ました。私はスペイン語のクラスに負担にならない程度に好きなクラスを組み合わせて、時間割を決め、最後まで飽きることなく1年を終えました。

 スペイン語のクラスは基礎クラスから発展クラスまでレベルがしっかり分けられていたので、背伸びしたり、下に合わせたりすることなく、自分のレベルに納得して進級することが出来ました。

 住む場所を自分で探したり、メキシコ人や外国人との共同生活、週末のパーティ、長期休暇中の国内外への旅行、今挙げた事以外にも様々なことがあった1年でした。辛い、さびしい、不便、危険、苛立ち、喜び、驚き、楽しみ、すべてが私の経験となり、すべてが私の糧となりました。無駄なこと、無駄な時間なんて一切なかったと今改めて思います。 しかし、行って帰るだけでは無駄です。

 行って、感じて、考えて、動いて、また考えて。日本でも出来ることでしょう。ただ、外国語学部に入って、外国語を学び始めた方には実際に行って、感じてもらうことをおすすめします。より価値のある、より実りのある1年になるでしょう。

外国語学部で学んだことがどのように活かされているか

 話したことも、聞いたことすらない言語を学習するのは苦労も多かったです。覚えたものが実際自分の生活の中で出てくるわけではないし、自分のスペイン語を試せるのは学校内だけ。なかなか「上達してる!」と実感出来ませんでした。

 留学当初も、話すということに臆病で、始めからいいスタートを切れたわけではありませんでした。外国人との実力の差にどんどん自信を失っていきました。

 しかし、2ヶ月ほど経過したところで、かなり聞き取れるようになり、少しずつ自分のいいたいことが言えるようになり、気づいたことがありました。私にはしっかりした基礎があったのです。留学のたった2ヶ月で大きくはないにしても、成長を見せれたのは基礎のおかげでした。

 京産のスペイン語学科でみっちり学習してきた文法が私のスペイン語の基礎となっていました。

 話せる環境ももちろん大事ですが、ある程度話せるようになって気づくのは文法の大切さでした。

 今でも時々京産で使っていた教科書を引っ張り出してきて、文法の確認をしています。スペイン語学科に入って、留学を考えている方は自信を持って留学してください。京産で勉強したことは必ず役に立ちます。

今現在、そしてこれから…

 留学から帰ってから、さっそく日本国内で就職活動を始めました。しかし、なかなか納得のいく就職活動が出来ず、心のどこかで「メキシコに帰りたい、メキシコでもう一度住みたい」という思いが卒業までずっと消えませんでした。

 そのまま卒業し、メキシコに行こう!と決断した矢先、ゼミの教授からの今の職場を紹介していただきました。書類選考と、web面接の末、無事採用していただくことになりました。

 今の自分を一言で表すと、それは「幸せ」です。

 まず、この時代に好きなことで、また好きな場所で、素敵な人に囲まれて仕事できることは何よりの幸せです。

 私の持論は「自分に正直に」。どんな時であっても常に自分に正直でいること、それが心も体も健康でいられる一番の方法です。

 ただ、2〜3年前に掲げた「自分に正直に」と今の「自分に正直に」は少しニュアンスが違います。結局、同じ持論にたどり着きましたが、ここにたどり着くまでに色んな寄り道もしました。同じことを何度も何度も考えました。

 高校生の時には考えもしなかったような悩みを持つと思います。必ず何度か、今まで以上に真剣に考える場面が訪れるでしょう。それもまた大学生の醍醐味なのかもしれません。

 飽きの来ない国、メキシコに魅了されてしまった私は、これからもここにもうしばらく身を置くつもりです。また新たな悩みを持つかもしれないし、新たに考えなければいけないことも増えるかもしれない。しかし、どんなことが起こったとしても、私は「自分に正直に」この国で生きていこうと思います。

グアダラハラ日墨文化交流学院 常勤講師 久留米小夏
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