結果分析・授業計画/改善に向けての取り組み(平成26年度 春学期)

1.結果の総評

 外国語学部では、12の学科・専攻に特別英語のセクションを加えた13のセクションごとに、各授業担当者が協議して、各セクションの教育効果をバランスよく総合的に評価できるように実施科目を決定した。また、結果の分析についても、各セクションの責任者が取りまとめ作成した「結果分析及び改善計画報告書」に基づいて、最終的に学部長・FD/SD推進WG委員がこの報告書を作成している。
 全学共通の設問について見ると、「授業参加の程度」は全学平均をやや上回ったものの、「シラバスを読んだ」、「シラバスを参考にした」の設問では全学平均をかなり下回った。
 学部独自の設問では、「体系的な学習」、「専門知識・語学力の段階的学習」、「知的好奇心・学問的関心の向上」のいずれにおいても、学部平均値が4.04〜4.07、「総合的な満足度」が4.10と、学部全体としては良好な結果を得た。しかし、「事前事後学習」については、全体の約3割の学生が「ほとんどしていない」、同じく約3割の学生が「30分〜1時間未満」と答えており、約6割の学生の事前事後学習時間が1日平均1時間未満という結果となっており、継続的な学修といった観点から言っても、問題点として指摘される。

2.調査結果にみられる本学部授業の課題

 
  1. 総評でも指摘したように、シラバスの活用度が低くなっている。シラバスは、選択必修科目、選択科目では、授業選択時や時間割作成時に利用され、必修科目では選択の余地がないので利用されない傾向がある。シラバスの活用度が低い原因の一つは外国語学部の授業に必修科目が多いことにあると考えられる。
  2. 総評に記した以外に、「80%以上出席している学生の中にも事前事後学習を「ほとんどしていない」者がいる。この傾向は、学生自身では選択の余地のない必修科目や、自身で選択はするものの、教員の講義を通じて専門学問領域を学ぶ講義(基幹)科目に多く見られた」という指摘があった。
  3. 本年度から新しく開講された「基礎演習」のデータ処理の結果、学部平均値と比べて「回答率」88% (68.4%)(括弧内は学部平均)、「授業参加の程度」4.87 (4.69) の設問の値は高かったものの、「シラバスを読んだ」2.66 (3.76)、「体系的な学習」3.63 (4.07)、「総合的な満足度」3.46 (4.10)、「事前事後学習」1.79 (2.33) などの値が低いことが分かった。

3.2の各項目についての改善計画

  1. シラバスの活用度を上げる方法の一つは、1回目の授業でシラバスを配布して読むことがあげられる。中国語専攻からはこの方法でシラバスの活用度が上がったという報告がなされた。最初にシラバスをコピーし、ノートに貼り付けさせるということも考えられる。また必修の授業であっても、授業はシラバスに沿って行われるので、シラバスをよく読んで授業の目的をよく理解して授業に参加する重要性を学生に認識させる必要がある。
  2. 事前事後学習の時間を増やすためには、語学実習のクラスでは小テストを毎回課すことが有効であるし、講義形式の授業では予め具体的なテーマや文言を調べてくる課題をだすのもよいだろう。また、教員一人一人が学期を通じて学生達がシラバスを参照するよう、各回の授業内容と事前事後学習の内容を上手く結びつける工夫が必要であろう。これによって、学生達の学習時間の確保と学習の習慣化も促進されると期待する。さらに、学修時間には授業時間だけではなく、予習・復習等教室外での自主学修も含まれるという単位制度の仕組みを教員、学生がともに理解する必要がある。
  3. 「基礎演習」は、今年初めて開講された科目であり、他の科目のように教育経験の積み重ねがないので、今後授業内容、教授方法、教材などについて授業担当者間で意見交換を行い、検討を続けていくことが必要である。そのさい「基礎演習という授業の名前にふさわしく、ノートの取り方や要約のし方など大学生に必要な基礎知識を学ぶことができました」、「グループワークが多く取り入れられているので協調性の大切さがよくわかった」などの学生からのコメントでよい点と指摘された面を伸ばしていくことも大切である。

4.備考

  1. 複数クラスがある英語学科とフランス語専攻から、クラス間の評価の違いがあることが指摘された。
  2. 履修人数を収容できない教室をあてがわれた、工事による騒音で語学授業の効果が削がれたという教室環境に関する指摘が2つのセクションからなされた。

改善に向けての取組(TAを使った授業の導入と運営方法について)

PAGE TOP