京都産業大学英語学科生のための多読(2015)

 1年と2年のインテンシブコースにようこそ。再履修生の方も歓迎します。英米語学科のインテンシブプログラムの中で大事なものの1つが多読です。

1年生のみなさんへ (2年生も読んでみるといいですよ) -

 1年次のインテンシブI, IIB が始まり、皆さん方に与えられる課題の1つが多読です。 図書館に行き、英語学習者用に書かれた、レベル別の本(あなたのレベルは担当教師から聞いてください)を借り出し、mreaderという大学のオンラインサイトでテストを受けます。本を読んでテストに合格すると、本の1冊ごとに、その本の語数に従って点数がもらえます。1学期間に一定の語数を読まないと自動的に落第になります。その語数を超えて読むことが、コースに合格する1つの条件です。多くの人が高校で学んだリーディングは精読という読み方です。多読は精読とは違って1語1語の意味を調べたり、文法を気にしたりしない読み方です。多読で重要なことは:

  • 自分のレベルのちょっと下のレベルの本を読むこと。そうすれば読みやすいです。
  • 自分が面白いと思う本を選んで読むこと。面白くなければ、その本は止めて、別の本にすること。
  • たくさん読んで、さらに、もっと読むこと。読めば読むほど、英語が分かるようになります。
  • 辞書は使わないこと。知らない単語があれば想像力を働かせて推測しましょう。それでも分からない場合にも、あらすじに集中して読み続けましょう。1つの単語とか句に集中するのは止めましょう。単語とか句のだいたいの意味が、しだいにわかるようになります。それが大事なことです。

1年次の多読の目標は -

  • 英語と過ごす時間を今よりもっと多くすることです。海外留学の良い点の1つは学生が英語とたくさんの時間を過ごすことです。多読はあなたに今よりもっと英語と過ごす時間をくれるのです。
  • 読書の習慣を身につけることです。英語を読むことで、すでに知っている英語を復習することができます。さらに他の国のことや別の考え方を知ることができます。しかし、読書を習慣にするには、常に読んでいる必要があります。学期の終わりに集中して読むのではだめです。 そのためにムードルテスト受験頻度には制限がつけてあります。
  • 1年次では大部分の人が英語学習者用に書かれた本を読むことでしょう。これらはオックスフォードやケンブリッジ、ペンギン、マクミラン、センリッジといった出版社から出されています。これらの本では語彙と文法を注意深く制限して、簡単に迅速に読めるようになっています。これはよいことですが、またこのプログラムには英語母語話者の子供向けの本もあります。たとえば、Step into Readingというシリーズです。このシリーズは、英語母語話者の子供が読書を学ぶために作られました。また、英語母語話者の青少年向けシリーズもあります。これはいくつかのレベルに分かれていて1章が長くなっています。1年生の間にこうしたものを1つか2つ読んでみるといいでしょう。これらを読む場合には、下記の「英語母語話者向け書物を読む際の注意事項」を読んでおいてください。

最後に、大学の休暇中は多読を進める絶好の機会です。しかも、読むことで長期休暇中に英語力が落ちないようにすることができます。1年次の夏季休暇中には秋学期の多読を始めることができます。また、1年次の終わりの春季休暇中には2年次用の多読を始めることができます。読めば読むほど成績が上がります。読む回数が増えればそれだけ速く読めるようになります。すると本が易しくなり、もっと面白くなります。読み続けてください。むずかしすぎたり、何か問題があるような場合は教師に相談してください。では、楽しんでください!

「英語母語話者向け書物を読む際の注意事項(1年・2年生用)」

英語母語話者の青少年向け書物を読む場合には次の点を覚えておくことが大事です。-

  • スラングがたくさんでてきます。これは辞書にのっていないことが多いのです。意味を推測してみてください。分からない場合でも心配せずに読み進めてください。もし何度も同じ単語や句が出てきて分からない場合には、先生に聞いてみましょう。知っておくと便利な単語や句かもしれません。
  • 変な考え方や新しい考え方がたくさん出てくるでしょう。だからこそこうした本を読むのは楽しいのです。別の国の学校や社会や生活についてたくさん学ぶことができます。しかし、それで混乱してしまうかもしれません。心配せずに意味やストーリーを推測して読み続けてください。
  • ジョークや反語や皮肉がでてきます。こうしたものを理解することはたいへん重要な技術ですが、かなり練習が必要です。この青少年向け書物の良い点は、子供たちもこうしたジョークなどをこの本で学んでいるということです。そこで、明快な説明がジョークなどについていることが多いのです。もし理解できないとしても、心配しないで読み進んでください。
  • 比喩が出てきます。「君はバラのようだ」といった比喩も「君はバラだ」といった形の比喩もあります。簡単な単語が不思議な意味をもっているように思えたリ、辞書をみるとむずかしい単語がでてきて、しかも英文に入れてみると意味がわからないことがあります。こうした比喩を理解するには、かなり想像力が必要です。この場合も、分からなければそのまま読み進んでいきましょう。
  • その本とその本の世界だけのために作られたことばがたくさんでてきます。ハリー・ポッターのことを考えてみましょう。‘Quidditch’(魔女や魔法使いたちがほうきに乗って行うスポーツ)や‘Muggle’( 魔女でも魔法使いでもない人をさす特別のことば)は、この本以外にはない単語です。こうした単語を理解するには、心配せずに読み続けていくしかありません。作家はその意味をはじめは読者に教えないことが多いのです。「これは何のことなんだ?」と読者に考えさせたいのです。これも物語の一部で、ミステリーなのです。
  • 会話が人々の実際の発音を映すように書かれていることがあります。つまり、綴り字や文法が変なのです。ハリー・ポッターではフランスの魔法使いは“What is this?” とは言わず、 “Vot is ziss?”と言います。これはフランス語なまりの英語を書き写そうとしたものです。推測して理解しなければなりません。もし分からないとしても、これまで言ってきたように気にせず読み進んでください。
  • 2年次生へ -

     2年次のインテンシブIII, IVCBのクラスは読むことと書くことが中心です。1年次と同じように、多読があります。このコースをパスするための最低限の語数が決まっています。多くの先生方がクラスの本を指定していますが、コースにパスするためには図書館から本を借り出してもっと読まなければなりません。テストのついていない広範な分野の教材をもってくる先生方もいます。どの先生についても、あなたが読んだ本の一冊一冊についてレポートを書かなければいけません。(ただし、mreaderテストに落ちた場合は書く必要はありません。)このレポートは自分の読み方を検討し、分析力を伸ばすためのものです。2年次の多読の目的は

    • 多読を規則的に続けるように奨励すること。
    • より広い範囲の本を紹介すること。
    • 本について、あなたにとっての本の意味について、さらに、著者が伝えようとしているメッセージについて考える力を養うこと。
    • あなたの英語力を保ち、人生を通して英語力を伸ばしていく方法を示すこと。

     あなたが1年次に読んでいない英語学習者用の本がまだたくさんあります。どれもよい本です。しかし、私たちとしてはみなさんに、英語母語話者用に書かれた本を見始めて欲しいのです。そうすることで、みなさんは英語学習者用の本から英語母語話者用の本へと橋を渡るきっかけができます。英語のリーディングは2年次終了後も、またその後の人生を通してあなたの英語力を支え伸ばしていくスキルです。英語母語話者用の本を読むことができるということで、あなたには新しい情報と考え方と物語の大きな世界が開けるのです。しかしながら、母語話者用の本を読むと、知らない単語や句がたくさん出てきます。これに対処するためには、上の「英語母語話者向け書物を読む際の注意事項」を見てください。役に立つと思います。

     1年次の場合と同じように、大学の休暇中というのはリーディングを伸ばす絶好の時間です。長い休暇中にリーディングをすることで英語のレベルを伸ばすことができます。1年次の終わりの春休みには2年次の春学期の本を読むことができます。2年次の夏休みには秋学期用の本を読むことができます。1年次同様、読めば読むほど、成績がよくなります。ひんぱんに読むほど、速く読めるようになります。すると本はどんどんやさしく思えてきますし、面白くなってきます。読み続けてください。もしむずかしいことや、問題があれば先生に相談してください。では、楽しんでください。

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