【西村ゼミ】新日本製鉄広畑工場と大塚製薬板野工場を見学

 5月25日の早朝に京都を出発した西村ゼミは、姫路の新日本製鉄広畑製作所と徳島県の大塚製薬板野工場に学外実習に出かけました。

 新日鉄広畑工場の規模は事前に調べて知っていたものの、東西3キロ・南北3キロで瀬戸内海に面した工場のスケールは、想像をはるかに超えていました。工場内をバスで移動すると、場内には材料を運ぶディーゼル列車の線路があり、冷延コイルを運ぶための特殊車両が行き来していました。

 今回、西村ゼミでは熱延工程を見学させていただきました。1300度に熱せられた真っ赤なスラブ(厚さ250ミリ)が、ロールペア・クロス方式で圧延され、長さが1キロメートルになるほどに薄く延ばされます。真っ赤なスラブが目の前で往復し、水蒸気を上げながら冷やされ、素早く巻き取られている様子は大迫力で、まさに圧巻としか言いようがありませんでした。作業は完全に機械化されており、複雑な工程をわずか4人で管理しているそうです。

 見学後には、前もってお送りしておいた質問に対して丁寧な回答をいただきました。ハイテンや送電効率を上げる電磁鋼板など、成熟産業だと思っていた鉄鋼分野で次々に技術開発が進んでいること、タイヤガス化リサイクルや工場周辺の保全林などで環境対策に力を入れていること、国際的な工場進出には費用が掛かりすぎるため技術供与が合理的な選択であることなど、興味深いお話を聞くことができました。

 晴れ晴れとした海と空の風景を楽しみながら明石海峡大橋と大鳴門峡を渡り、一路、大塚製薬板野工場へ。山を切り開いた工場の周りには、広大な庭園やビオトープが整備され、工場はポルトガル風のホテルのような建物でした。工場では、胃粘膜保護などに処方されるムコスタ錠の造粒・乾燥・混合・打錠・コーティング・印刷・検査・包装・品質検査までの一連の工程を、ガラス越しに見せていただきました。工程のほとんど全てが自動化されており、ほとんど人の姿が見えなかったことが印象的でした。そのほかに、消費者向けのSOYJOYの製造についても説明を受け、訪問前にお送りした質問については、大塚ホールディングスから大変丁寧な回答をいただきました。

 一連の見学で実感したのは、事業活動には多額の設備投資と研究投資が必要だということです。金融の役割の重要性を改めて感じた一日でした。

  • 大塚製薬板野
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  • 新日本製鉄広畑工場
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