「第9回 中国語暗唱大会」開催報告

 去る12月3日(水)の午後、図書館ホールで外国語学部アジア言語学科中国語専攻主催の「中国語暗唱大会」が開かれ、外国語学部の「専攻中国語」クラスや共通中国語「エキスパート」クラスで中国語を学んでいる1年生が、クラスメートたちの熱き声援の中、中国語の文章を暗唱し、日頃の学習の成果を披露しました。

 これまでは「中国語学科暗唱大会」として実施してきた本大会ですが、中国語学科がアジア言語学科中国語専攻に改編されたことに伴い、その名称を今回より「中国語暗唱大会」に変更しました。また、改編により、「専攻中国語」クラスには中国語専攻生だけでなく、新たに日本語・コミュニケーション専攻生(一部)も加わり、「エキスパート」クラスも合わせると、本学で中国語を学ぶ「同学」たちの専攻・学部を超えた交流の場になっています。

 大会は【一般の部】と【既習者の部】の二部構成で実施され、それぞれ審査・入賞者の決定を行ないました。

暗唱発表の一場面

  • 優勝者 黒木さん

  • 健闘賞 田中さん

厳正な審査の結果、上位入賞を果したのは次の方々です。

一般の部

優勝(1名) 黒木 宏斗
第2位(1名) 村上 文野
第3位(1名) 上原 美恵
健闘賞(3名) 田中 御国、上田 茉央、中山 典之

既修者の部

優秀賞(同点、2名) 大津 こころ、李 知香

入賞者


審査員は、次の方々です。

審査員長 中川 千枝子〔外国語学部中国語学科教員〕
審査員 隋 建超〔法学研究科〕
審査員 孫 金燕〔外国語学研究科〕

審査員による講評

中川千恵子審査委員長「総評」

 この暗唱大会の審査のポイントは、一般の部では「聞いてわかる中国語」です。既習の部では「情景が目に浮かび情感が伝わる中国語」のレベルです。
 「聞いてわかる中国語」にするには、「単語」を正確に発音する必要があります。中国語の声調は、実際の発音を聞かなければわかりません。録音をたくさん聞いて音声辞書を頭の中に構築して下さい。“自行车zÌxÌngchē”のように。
 つぎに単語と単語が結び付いた「フレーズ」はリズムにのせて一拍に読まなければなりません。“骑 自行车qí zÌxÌngchē”のように。いつ、どこで、だれが、なにを、どうしたかを表す「文」は、文の構造がわかるようにポーズとストレスを置く必要があります。“我会/骑自行车了。Wǒ huì/qì zìxìngchē le.”のように。こうした文を組み立て起承転結のある一篇の文章が出来上がります。
 今回の課題文を暗唱することで、「聞いてわかる中国語」から「情感を乗せた中国語」へとレベルアップする契機になればと希望します。

隋建超審査員

 暗唱大会に参加した同学の出来栄えは皆さん悪くありませんでした。一般の部の中の個別の学生だけが様々な原因により時間超過を招いてしまいました。
 皆さんの中国語学習時間があまり長くないにもかかわらず、規定時間内に一つの誤字もなく暗唱できると言うのは大変なことです。
 発音は基本的に正確で、ストレスもポーズも出来ていました。しかし指摘すべき点は、皆さんに広く存在している発音の問題です:
【卷舌音の発音】zhi chi shi。ほかに皆さん【盾】を発音する時、私個人の感覚では皆さんが発しているのはdongの音です。[訳者註:nなのにngになっている]
 皆さんが卷舌音の発音問題を改善したら、中国語学習の中の一つの大きな問題を解決することが出来ます。頑張ってください。
 既習の三名の同学はさらに優秀でした。話し方が中国人と基本的に変わりが。名前を知ありません。名前を知らされていなければ、中国人が話しているのを聞いていると思ったほどです。
 中国語は本当に難しいので、さらに力を入れて引き続き努力する必要があります。来年の大会でまた優秀な成績を納めるよう!頑張ってください!

孫金燕審査員

 今日、皆さんの暗唱大会での出来栄えはとても素晴らしかったです。一年足らずで、落ち着いてしかもまた流暢に一段の長い文章を暗唱することが出来るのは、確かに容易なことではありません。大部分の人の声はとてもよく響き、話しているときも聴衆との間のアイコンタクトによく気を配っていました。発音の点から言うと、声調あるいは声母や韻母の発音にいくつか小さいミスがあったとは言え話している内容は比較的聞き取りやすかったです。とりわけ上位入賞者の出来栄えは際立って優れていました;発音や音節の切れ目の面でよく出来ていただけでなく、暗唱する時感情や豊かな表現力が盛り込まれていて、この点は大部分の学生が備えていないものでした。講演や朗読をする時、中国語は他の言語と違い、抑揚やメリハリ、生き生きとしたイメージに気を配る必要があります。今後、皆さんがこれからの学習の中で大いに練習して、発音のみならず表現力にももっと気をつけるように希望します。

[*日本語訳:中川千恵子]

上位入賞者の感想

一般の部

黒木宏斗さん

 「今回の暗唱大会で今までの練習の成果を出し優勝できてうれしかったです。私は人前での発表などは苦手なのですが、先輩や先生方に発音指導をしてもらい自分の発音に自信を持てました。本番では緊張してあまり発表したことの記憶がありませんが、優勝できたことはこれからの自分の自信にもなりましたし、成長できたと思いました。これからも大会などがありましたら積極的に参加して中国語の語学力向上に努めていきたいです。発音指導ありがとうございました。」

村上文野さん

 「同じ文章(矛盾)を暗唱しても参加者それぞれの感情の込め方が異なっていることに強い印象を受けました。自分の発表については感情の込め方が十分ではないという感想をもっています。
 大勢の人の前で暗唱を発表するという体験は初めてでしたので、たいへん緊張しましたが、参加出来たことには満足しています。今後も中国語の勉強を頑張って続けるとともに、このような機会があれば積極的に出場していきたいと思いました。」

上原美恵さん

 「暗唱大会で発表してみて、自分の中国語の発音はまだまだだと感じました。
 他の人の発表を聞いたことにより刺激を受け、今後中国語を学ぶ上でとてもいい経験ができたと思います。
 大会に出場したことによって一つ成長することができました。今回賞をとれたことで自分の中国語に少し自信が持て、より中国語を好きになりました。」

田中御国さん

 「大勢の人の前で中国語を話す機会は何度か経験したことがありますが、暗唱大会というコンテストの形式で発表したのは初めてです。貴重な経験をさせていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。他の出場者や上級生の発表を聞くと、それぞれ自分にはない個性があると思い、とても参考になりました。特に上級生の発表は発音、アクセント、リズム、表情、立ち振る舞いなど、多くのことを学びました。今後このような大会があればぜひ参加したいと思います。」

上田茉央さん

 「今回の暗唱大会は私に危機感を与えるいい機会となりました。そこまで頑張らなくても賞をもらえると思ってきた私でしたが、本番私はすごく焦りました。エキスパートの人たちや他のクラスの人たちの中で衝撃を受けるほどうまい発音の人たちがいたからです。
 『必修で春から学習している私がエキスパートの人たちに感銘を受けていてはいけない。このままではダメだ』と真剣に思いました。
 賞はいただけましたが、自分より上手い人がいたと思っています。ですから、これからは本当の意味で自信がもてるように勉強していくべきだし、中国語を学ぶ上での意識が変わりました。
 今回は貴重な体験をさせていただいてありがとうございました。」

中山典之さん

  「あのミスが今の自分の実力であると痛感しました。この悔しさを忘れずに、次につなげたいと思います。」

既修者の部

李知香さん

 「小中合わせて9年間中国語を勉強してきましたが、とても緊張しました。既習者であるという枠で区切られていたのが正直すごくプレッシャーでした。みんながとても中国語が上手なので、入賞できたことにとても驚きました。中国語を使って何かを発表するという機会は余りないので、今回の暗唱大会を通して、更に中国語の勉強に力をいれようとおもいました。」

 

◆ 暗唱発表の審査結果を待つ間、会場では関ゼミ所属の上級生による中国語スピーチの発表が行われました。

◆ 大会後に催された茶話会では、上級生による中国語イベントで盛り上がりました。

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