京都産業大学 インターネット利用に関するガイドライン

インターネット利用に関するガイドライン

 「京都産業大学ネットワークセキュリティ規程」等、各種規程および各種法令に基づき、本学でインターネットを利用するための利用資格や手続き、一般的に身に着けておくべきマナーやルールなどを記します。
本学でインターネットを利用する際は、本ガイドラインをよく読み、理解した上で利用してください。





法令で保護された権利の利用について

インターネットでは様々な情報やデータなどが公開されていますが、それらの多くは各種法令 に基づいて権利が守られています。利用方法によっては、権利者の権利を侵害し、刑罰の対象に なる場合もあります。 ここでは、文部科学省文化庁が公開する文献を用いて、権利を利用する際の注意点を示します。
(参考文献:著作権テキスト 〜初めて学ぶ人のために〜平成19 年度 文化庁長官官房著作権課)

知的財産権

 「知的財産権」とは、知的な創作活動によって何かを創り出した人に対して付与される、「他人に無断で利用されない」といった権利です。著作権は、手続きを一切必要とせず、著作物が創られた時点で「自動的」に付与されることが、国際的なルールとされています。
なお、著作権には保護期間があり、一定の期間を過ぎた著作物などについては、その権利を消滅させることで、社会全体の共有財産として自由利用することができるようになっています。

著作者

 著作者とは、「著作物を創作する人」のことです(著作権法第2 条第1 項第2 号)。小学生や幼稚園児などであっても、絵画であれば絵を描いた人が著作者であり、文章であれば作文した人が著作者です。上手か下手かということや芸術的な価値などは一切関係しません。
 私たちが手紙、レポート、作文を書けば、多くの場合、その手紙が著作物となります。私たちは、日常生活を送る中で、多くの著作物を創作しています。ただ、そうした著作物が出版されたり、放送されたりして経済的に意味のある形で利用されることがほとんどないため、著作者であることや著作権を持っていることを意識することが少ないだけのことです。

著作物

「著作者の権利」によって「保護」されているものは「著作物」と呼び、著作権法の規定では、 「思想または感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するもの」と定義されています(著作権法第2 条第1 項第1 号)。
「著作物」には、大別して次の二種類があります。

(1) 一般の著作物

著作権法第10 条の例示で次の表のとおり掲げられています。
<法典での例示> <具体例>
言語の著作物 講演、論文、レポート、作文、小説、脚本、詩歌など
音楽の著作物 楽曲、楽曲を伴う歌詞
舞踊または無言劇の著作物 日本舞踊、バレエ、パントマイムなどの振り付け
美術の著作物 絵画、彫刻、漫画、舞台装置など(美術工芸品を含む)
建築の著作物 芸術的な建築物
地図、図形の著作物 地図、学術的な図面、図表、設計図、立体模型など
映画の著作物 劇場用映画、アニメ、ビデオ、ゲームソフトの映像部分など
「録画されている動く映像」
写真の著作物 写真、グラビアなど
プログラムの著作物 コンピュータ・プログラム

(2) 編集著作物・データベースの著作物

新聞、雑誌、詩集、百科事典などの編集物や、編集物のうちコンピュータで検索できるWeb ページなどデータベースについては、収録内容、配列、体系の構成に創作性が認められたものは著作物と認められます。

著作者の権利

「著作者の権利」には、大別して次の二種類があります。

  1. 著作者人格権
    人格的利益(精神的に「傷付けられない」こと)を保護するための「著作者人格権」で、具体的に次の権利が該当します。
    <公表件> 無断で公表されない権利
    <氏名表示権> 名前の表示を求める権利
    <同一性保持権> 無断で改変されない権利
  2. 著作権(財産権)
    財産的利益(経済的に「損をしない」こと) を保護する「著作権(財産権)」で、具体的に次の権利が該当します。
    <複製権> 無断で複製されない権利
    <上演権・演奏権> 無断で公衆に上演・演奏されない権利
    <上映権> 無断で公衆に上映されない権利
    <公衆送信権>無断で公衆に送信されない権利
    <公の伝達権>無断で受信機による公の伝達をされない権利
    <口述権>無断で公衆に口述されない権利
    <展示権>無断で公衆に展示されない権利
    <譲渡権> 無断で公衆に譲渡されない権利
    <貸与権> 無断で公衆に貸与されない権利
    <頒布権> 無断で公衆に頒布されない権利
    <二次的著作物の創作権> 無断で二次的著作物を「創作」されない権利
    <二次的著作物の利用権> 無断で二次的著作物を「利用」されない権利

著作者の利用

 他人の著作物などをコピーやインターネット送信などの方法で利用する際、原則として「権利者の了解」を得ることが必要で、著作権法上では「許諾」と表現します。
 この「了解を得る」ということは、文書を交わす場合も口頭の場合も、また、利用の対価を支払う場合も無料の場合も、権利者と利用者が「契約する」ということです。
 なお、利用者・権利者双方ともに、次の点に留意し、後々のトラブルを防ぐために「何を契約しているのか」ということを明確にして、文書をしっかりと残しておく努力をすべきです。

(1) 権利者の了解および契約の締結

基本的に権利者と利用者の双方が了解した上で、契約を締結します。ただし、権利者と利用者がそれぞれ相手を探し出して契約を行うことが困難であるため、多くの人々の権利を集 中的に管理して「契約窓口の一本化」を行う団体が作られてきました。音楽の契約窓口を行う「JASRAC(社団法人日本音楽著作権協会)」が有名です。
団体が権利取扱い代行を行う著作物を利用する際は、その団体と契約を行います。

(2) 権利者の了解を得なくてよい場合

  1. 保護対象の著作物でない場合
    日本において著作権が付与され、保護対象(無断で利用できない)とされている著作物は、「日本国民の著作物」「日本で最初に発行された著作物」「条約によって保護の義務を 負う外国の著作物」です。一般的には、多くのものは保護対象だと思われますが、これらの条件に該当しない場合は、もともと了解を得る必要がありません。
    また、憲法その他の法令などの著作物は、権利の目的となることができないとされているので、了解を得る必要はありません。
  2. 保護期間が切れている場合
    「著作物」「実演」「レコード」「放送」「有線放送」のそれぞれについて、「保護期間」 が決まっており、その期間を過ぎているものについては、権利者の了解を得る必要がありません。ただし、様々な例外がありますので、よく注意することが必要です。
  3. 「権利制限規定」による「例外」の場合
    教育目的のコピーなど、後に解説する「例外」の場合には、著作権者の了解を得る必要 はありません。ただしこれは、あくまでも「例外」であり、利用する側に「利用できるという権利」を与えているものではありません。

(3) 著作物等の「例外的な無断利用」ができる場合

  1. 「私的使用」関係
     「テレビ番組を録画予約しておいて後日自分で見る場合」などのように「家庭内など限られた範囲内で、仕事以外の目的に使用することを目的として、使用する本人がコピーする場合」は例外が適用されます。
    ただし、私的使用には「例外の例外」が定められており、次の場合などは私的使用でも複製は認められません。
    ・コピープロテクションを解除してコピーすること。
    ・違法にインターネット配信されていることを知りながら、音楽や映画をダウンロード(録音又は録画)すること。(平成21年法改正による。平成24年に刑事罰も追加)
  2. 「教育機関」でのコピー
      学校・公民館などで教員や授業を受ける者(学習者)などが教材作成などを行うために コピーする場合の例外です。インターネットを通じて得た著作物をダウンロードしたり、プリントアウトやコピーして教員が教材作成を行う場合、学習者が教材としてコピーしたものを他の学習者に配布して使うような場合にも、例外が適用されます。
  3. 「教育機関」での公衆送信
      学校・公民館などで、「主会場」での授業が「副会場」に同時中継(公衆送信)されている場合に、主会場で用いられている教材を、副会場(公衆)向けに送信する場合は例外が適用されます。


  4. ただし、2項、3項、共に条件が限定されていますので、過大解釈しないように注意してください。著作権法35条は次のとおりです。
    • 1 学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表された著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
    • 2 公表された著作物については、前項の教育機関における授業の過程において、当該授業を直接受ける者に対して当該著作物をその原作品若しくは複製物を提供し、若しくは提示して利用する場合又は当該著作物を第38条第1項の規定により上演し、演奏し、上映し、若しくは口述して利用する場合には、当該授業が行われる場所以外の場所において当該授業を同時に受ける者に対して公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
  5. 「非営利・無料」の場合の「上演」「演奏」「口述」「上映」
      学校の学芸会、市民グループの発表会、公民館での上映会、インターネット画面のディスプレイなど、非営利・無料で利用する場合は例外が適用されます。
  6. 「非営利・無料」の場合の「放送番組の有線放送」
     「難視聴解消」や「共用アンテナからマンション内への配信」など、放送を受信して同時に有線放送または放送対象地域を限定した「入力」による送信可能化(IP マルチキャスト技術による同時再送信)をする場合は例外が適用されます。
  7. 「引用」「転載」関係
     他人の主張や資料などを「引用」する場合は例外が適用されます。
    これは、報道、批評、研究などの引用の必然性があることを前提に、本文と引用部分の差を明確にし、出所を明示した上で引用することができます。
  8. 「コンピュータ・プログラム」関係
     プログラムの所有者が、バックアップコピーやプログラムの修正、改良を行う場合は例 外が適用されます。ただし、オリジナルを他人に譲るなどして所持していない場合は、著 作権者の了解なしにコピーを所持することはできません。
  9. 「機器の保守・修理等」関係
      機器の「保守」「修理」「交換」時において、バックアップコピー(複製)を行う場合は 例外が適用されます。これはあくまで、「保守」または「修理」のための一時的なコピー (複製)として認められ、完了後には速やかに廃棄する必要があります。

肖像権

 肖像権は、個人の氏名および写真や絵画に被写された肖像を勝手に利用されないための権利で、 人格権の一部とみなされます。全ての人が持つ権利ではありますが、日本では直接的に定められ た法律はなく、民法など他の法律に沿って判例上で認められている権利です。
 なお、芸能人などの有名人には、氏名および肖像に対してパブリシティ権という権利も認めら れています。これは、有名人の氏名および肖像には顧客吸引力の持つ経済的利益の発生が認めら れるため、財産権の一部とみなされます。
 インターネットで掲載を行う場合は無断で行うことなく、必ず事前に許諾を得てください。

学校法人京都産業大学ネットワークセキュリティ委員会

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