ノロウイルスに気を付けよう

ノロウイルスについて

ノロウイルスは、乳幼児から高齢者まで、幅広い年齢層で感染性の急性胃腸炎を引き起こします。主に冬場に多発し、11月ごろから流行がはじまり、1~2月にピークを迎えます。ノロウイルスは人の腸管のみで増殖します。感染ルートは、経口感染・接触感染・飛沫感染など複数あり、その感染力はとても強く、少量(10~100個)でも発症すると言われています。

ノロウイルスの特徴

pH 酸(胃液)に強いので、胃を通過する
消毒 アルコールが効きにくい
加熱 60℃、30分で感染性保持
温度 低いほど安定
乾燥 室温で20日以上感染性を保持
凍結 死滅しない
その他 一度感染しても繰り返し感染・発症する

ノロウイルスにかかった時の症状

潜伏期間24~48時間を経て、吐き気、嘔吐、下痢等の主症状が起こります。腹痛、頭痛、発熱、悪寒、咽頭痛、倦怠感等を伴うこともあります(※感染しても症状が出ないこともあります)。通常、症状は1~2日続いて治癒します。症状消失後も3~7日間ほど感染者の便中にウイルスが排出されるので、二次感染に注意が必要です。

予防と対策について

① 外出先から自宅にウイルスを持ち込まないためには?

『 対策 : 帰宅後のうがいと手洗い、洗顔 』

ノロウイルスは極めて小さいため、手や指のシワに入り込みやすく、落としにくい特徴があります。つまり、軽く手を濡らすだけや、石けんを使ってもささっと洗うくらいでは意味がなく、爪の間や指の付け根などなど細かいところも意識して十分洗うことが重要です。手洗いの目的は、手に付いたウイルスを「水と石鹸で洗い流す」ことです。石けんそのものにもノロウイルスを殺す効果はありませんが、正しい手洗いを行い、手の脂肪などの汚れを落とすことで、ウイルスを手指からはがれやすくする効果が期待できます(※手洗いは、石けんを用いて2回行うと手についたウイルスをかなり減らすことができます)。 そして、顔にもウイルスは付いています。帰宅後は洗顔も行い、口や鼻の周りについたウイルスを洗い流しましょう。 この手洗い・洗顔はノロウイルスだけではなく、新型コロナやインフルエンザ予防でも有効です。帰宅後は、ぜひ習慣にしましょう。

②ヒト-ヒト感染(二次感染)を防ぐためには?

『 対策 : 料理と食事の前の手洗い、トイレの後の手洗い、清潔な環境(清掃)、爪を切る 』

ノロウイルスは、感染症と食中毒の両方を引き起こすウイルスです。ノロウイルスに汚染された食品だけでなく、ノロウイルスに感染した人の手指などを介して起こる二次感染にも注意が必要です。
ノロウイルスはトイレ内の汚染が多いとされています。複数の人が共有するトイレを日常から清潔にすることは感染リスクを下げることにつながります。便器だけではなく手指が触れるドアノブやペーパーホルダー、手洗い場などトイレ全体を清掃することが重要です。
また、トイレを含め、複数の人の手指が触れる場所はノロウイルスの汚染が起こりやすい場所として認識し、日常から清潔を心がけましょう。

注意!!ノロウイルスはアルコール消毒が効きにくい(抵抗性が強い)

ノロウイルスは、アルコール消毒が効きにくい(抵抗性が強い)性質を持っています。そのため、消毒に用いる際は十分量の消毒用エタノールを用いて30秒間以上接触させる必要があります。拭き掃除では2度拭き(1度拭いてから15秒後ぐらいに再度拭く)を行いましょう。最近はノロウイルスに対して効力を高めた(pHを酸性側にした)アルコール製剤も売られています。
ただ、ノロウイルスをしっかり消毒するには、中心温度85~90℃、90秒以上の加熱、もしくは次亜塩素酸系での消毒が基本です。次亜塩素酸ナトリウム・手洗い・アルコールをうまく活用し、ノロウイルスの感染を予防しましょう。

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