賀茂別雷神社(上賀茂神社)式年遷宮×京都産業大学創立50周年記念シンポジウム 「伝統と継承〜文化にふれる、こころをつなぐ〜」開催

2015.09.26

 9月26日、賀茂別雷神社(上賀茂神社)式年遷宮×京都産業大学創立50周年記念シンポジウム「伝統と継承〜文化にふれる、こころをつなぐ〜」と題して、神山ホールにて基調講演ならびにパネルディスカッションを開催し、約1000人が聴講した。

 第1部では、本学日本文化研究所の専任研究員の彬子女王殿下が「記憶の種をまく‐日本文化を未来に伝えるために‐」と題して基調講演を行った。彬子女王殿下は、学習院大学卒業後、英国オックスフォード大学マートン・コレッジに留学して博士号を取得。基調講演では、留学中にタータン(タータンチェック)に関する研究について、「幼少期にみたハイランドゲームズで男性がタータンチェックのスカートを履いていることに疑問を持っていたこと」が、研究を行った要因の1つであることを、ユーモアを交えて説明された。また、ご自身が総裁を務められている心游舎(しんゆうしゃ)での取組みをご紹介された。心游舎では、「日本の伝統文化が生き続ける土壌づくり」「共同体で育児をする場の提供」「本物の伝統文化を伝える現代版寺子屋の創設」を目標に、子どもたちが日本文化を体験するワークショップを開催している。基調講演の中で、実際に子どもたちが南三陸に訪れた際の映像をご紹介された。参加した子どもから「なぜ?」という疑問や質問を受けることもあり、その疑問や質問に正しく答えることが、日本文化を未来に伝える記憶の種として残ると述べられ、切に願われた。

 第2部のパネルディスカッションでは、彬子女王殿下のほか、上賀茂神社 田中 安比呂宮司、演出家 宮本 亜門さんの3人がパネリストとして登壇し、コーディネーターを務める日本文化研究所長の小林 一彦教授により進行した。パネルディスカッションでは、第42回目の式年遷宮を迎える上賀茂神社についての説明がなされ、宮本亜門さんによる奉納劇「降臨」についての説明もなされた。また、来場者の方から頂いた質問についてパネラー3人が回答する時間が設けられ、会場からたびたび笑いの渦が起こる楽しいシンポジウムとなった。
日本文化を未来に伝えるにはどうすればよいかを 語る彬子女王殿下
式年遷宮や上賀茂神社についての資料を紹介する田中宮司
約1000人が聴講する、盛大なシンポジウムとなった
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