文化学部京都文化学科「京都文化フィールド演習」で学外実習 茶の湯のこころを学ぶ

2015.06.06

 京都文化フィールド演習(吉澤 健吉文化学部教授クラス)は6月6日、京都文化を代表する茶の湯に関する知識を深めるため、一般財団法人半床庵文化財団(久田 津奈理事長)の協力のもと、登録有形文化財である久田家半床庵(京都市中京区)を訪ね、茶室の見学と薄茶点前の見学、客としてのふるまいの作法の実習を行った。

 初めに、学生たちは岩崎源宗匠による講義「茶の湯のこころとは」を受講し、久田家の歴史と茶の湯にこめられたもてなしの真髄を学んだ。

 その後、内弟子さんによる薄茶点前を見学しながら、5人1組で茶室への入り方から茶菓子のいただき方、薄茶の飲み方、拝見の仕方などを実際に学んだ。久田家では本物を知ってもらいたいとの配慮から、稽古茶碗ではなく、千家十職の先代と当代の永楽善五郎氏制作の茶碗を使用し、茶碗の銘や模様の見方などについて細かく指導を受けた。

 客の作法を学んだ学生たちは、順に茶室・半床庵に入り、内弟子さんから表千家不審庵を模したとされる二畳中板の茶室について説明を受けた。学生たちは初めての茶室体験に新鮮な感動をおぼえていた。

 これに先立ち、同クラスでは5月16日、明治時代の名庭園師である第7代小川 治兵衛(植治)が作庭した庭園・流響院(非公開、京都市左京区)を見学した。明治時代、南禅寺北側に建設された別邸の歴史と造園技術を学ぶのがねらい。

 学生たちは2班に分かれ、庭園については、植治の子孫にあたる小川 勝章氏が実際に庭を案内しながら石組みなど細部の造作や日本庭園の見所について講義。母屋については、流響院の職員が時代により持ち主が変わった歴史や、GHQによって改造された数寄屋建築をどのようにして復元したかなどについて解説した。学生たちは新緑にもえる名庭に大いなる気を感じ取っていた。


久田家の茶室で薄茶点前と客の作法を学ぶ学生たち
小川 勝章さんの解説で植治の庭を学ぶ学生たち(流響院)
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