京都文化学科開設記念リレー対談講座「京都学事始め」第5回開催

2015.02.21

 2月21日、むすびわざ館2階ホールにて、文化学部京都文化学科開設記念リレー対談講座「京都学事始め」の第5回(最終回)「京料理と『和食』無形文化遺産」を、瓢亭十四代当主 _橋 英一さんをゲストに迎えて開催した。

 瓢亭は約400年前、天保年間に南禅寺畔の茶店として創業された。今でも店の前に置かれている床几や草鞋がその面影を残している。その後料亭となったが、瓢亭の雰囲気は基本的に茶室のしつらえである。_橋さんが日々手入れする庭には銘木や銘石はなく、木や花は野にあるごとく、時々の季節感が自然に表れている。京料理は味覚だけではなく、文化教養を含む五感すべてで味わうものだということが納得される。

 瓢亭と日本の文化、芸術との関わりは深い。歌人 吉井 勇に「瓢亭の朝がゆすすり松に吹く風の音聞けば心すがしも」と歌われ、谷崎 潤一郎の「細雪」では、平安神宮の花見の場面に登場し、随筆「陰翳礼讃」のモデルにもなった。また、画家の川端 龍子や岸田 劉生が庭を眺めて、画想を得た。

 対談の後半では、スライドを用いての瓢亭の料理を解説した。また、_橋さんからは、瓢亭名物、秘伝の半熟煮抜き玉子と朝がゆの詳細な説明があり、参加者はその内容に聞き入っていた。

 コーディネーターの文化学部 小林 一彦教授との楽しい対談に、200人超の参加者は終始和やかで笑いが絶えない90分間となった。
息の合った楽しい対談(右:_橋さん、左:小林教授)
写真を用いて「瓢亭」のしつらえを解説
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