社会安全・警察学研究所主催 シンポジウム「子どもの非行防止 日本一をめざして」開催

2015.01.24

 1月24日、むすびわざ館にて、社会安全・警察学研究所主催のシンポジウム「子どもの非行防止 日本一をめざして」を開催した。警察、教育、福祉、少年司法の関係機関の責任者や現場担当者、青少年育成支援関係のボランティア団体のスタッフなど、約100人が集い、最新の取り組みについて情報交換を行った。

 シンポジウムは、大西 辰彦副学長、社会安全・警察学研究所 田村 正博所長の挨拶で開会し、第1部では、高知県地域福祉部長 井奥 和男さんと内閣府審議官(共生社会政策担当) 安田貴彦さんによる基調講演を行った。井奥さんは高知県の取り組みである「高知家の子ども見守りプラン」について説明し、民生委員・児童委員と学校の連携による子ども・家庭の見守り、無職非行少年の就労支援、少年サポートセンターの機能強化などの取り組みにより、非行に関する指標が大きく改善していると述べた。安田氏は、政府の子ども・若者育成支援施策について説明し、ライフサイクルを見通した支援と関係機関・団体のネットワークが重要であること、法律に基づく「子ども・若者支援地域協議会」が少年非行防止においても、民間団体を含めた連携に有用な仕組みであることを強調した。

 第2部のパネルディスカッションでは、4人のパネリストによる報告を行った。法学部・社会安全・警察学研究所所員 成田 秀樹教授は、発達的犯罪予防の観点から包括的な非行少年対策の有効性について述べ、広島県呉市立片山中学校長 齋藤 美由紀さんは「学校組織で取り組む自己指導力の育成」と題し、自らの生徒指導の体験を熱心に語った。神奈川県警察少年相談・保護センター所長 阿部 敏子さんは、横浜市の学校と警察との連携に触れ、センターの役割が発揮された事例について、松江市青少年支援センター所長 村上 誠さんは、松江市の非行少年の立ち直りや就労支援についての取り組みについて、それぞれ紹介した。その後のディスカッションでは、参加者からの質疑を踏まえ、活発な議論が交わされ、各地の先進的実践例のノウハウや情報を共有した。
高知県地域福祉部長 井奥 和男さんによる講演
活発な議論が行われた
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