「京都の伝統文化」で市比賣神社 禰宜 飛驒 大富さんが講義

2014.06.11

 6月11日、共通教育科目「京都の伝統文化」で、市比賣神社 禰宜・皇學館大學雅楽非常勤講師・いちひめ雅楽会役員の飛驒大富(ひだ もとよし)さんが「雅楽手解」と題して講義を行った。

 授業は、飛驒さんといちひめ雅楽会所属の大学生による「音取」、「越殿楽」の雅楽演奏から始まった。使用された楽器は、笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)の3種類。演奏後には、受講生から自然と拍手が湧き起こった。

 講義では、雅楽に用いる楽器の種類や譜面、唱歌、拍子の取り方などの解説を行った。膝の上と側面をたたいて拍子を取りながら唱歌を歌うことによってまず曲を覚える。この膝の上と側面をたたく拍子の取り方は西洋音楽では行わない方法であり、飛驒さんがフランスのコンセルヴァトワールで講義をした際に、学生たちと一緒に拍子を取ったが、リズムが合わなかった。膝の上と側面を打ち返すところでリズムにずれが起こり、この「ずれ」が雅楽の「間」とのことで、フランス人から「オリエンタルマジック」と評されたと語った。

 雅楽には、管絃、舞楽、国風歌舞(くにぶりのうたまい)の三つのジャンルが含まれている。管弦は、世界最古のフルオーケストラであると、解説した。

 講義の後半では、実際に受講生が龍笛を体験した。始めは、なかなか鳴らなかったが、飛驒さんの的確な指導により音を鳴らすことができ、受講生は喜びの声をあげていた。

 この講義で雅楽を知り、楽しむきっかけになるなど、少しでも興味をもってもらえたらうれしいとの言葉で、講義を締めくくった。
雅楽演奏の迫力ある音色に受講生たちは興味深く聴き入った
よく通る張りのある声で朗々と話す飛驒さん
飛驒さんから龍笛の指導を受ける受講生
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