世界最大の望遠鏡建設プロジェクト(TMT)説明会 開催

2013.10.23

 10月23日、万有館4階B405教室で、鈴木竜二 国立天文台 TMT推進室 助教による説明会「世界最大の望遠鏡建設プロジェクト(TMT)で働きませんか?」が開催された。

 国立天文台TMT推進室では、史上最も大きな直径30mの鏡を持つ望遠鏡「Thirty Meter Telescope(TMT)」を国際協力によって2014年からハワイ・マウナケア山に建設する「TMTプロジェクト」が進められている。今回の説明会は、天文台や望遠鏡に興味のある学生に対し、職業として天文台や望遠鏡にどのように関わることができるのか、そのために必要な技術や知識について知ってもらいたいとの神山天文台の目的と、国立天文台TMT推進室が、今後、TMTプロジェクトに係る若手研究者、技術者を応募しており、参加を呼びかけたいとの希望があったことから神山天文台が企画したもので、TMTの特徴や期待されている科学的な成果の説明のほか、プロジェクトに関わる職業や研究についての紹介が行われた。

 TMTに関わる職業についての説明では、観測所内で、事務、技術、研究・教育など様々な仕事があるだけでなく、一般の企業においても望遠鏡の鏡を製作するなど、技術面でTMTをサポートする仕事があることや、特に技術においては、様々な分野のエキスパートが必要であり、天文学の研究・教育に関わる職員にも、この望遠鏡や装置に必要な性能をまとめるためのサポートが求められることが語られた。

 また、各国が協力して行われている研究開発のなかで、鈴木氏が日本側の中心となって開発を進めているTMT用の観測装置(カメラ)、IRISについての説明が行われた。IRISはTMTの完成後、すぐに観測を始めることが期待されている観測装置の一つで、非常に高い精度で天体の位置を測定することができるのが大きな特徴である。IRISの開発においては、大学などとの共同研究を計画していると説明があった。

 説明会には理系の学生らを中心に、26人が参加した。参加した学生らから、「今後、TMTに取り付けられる観測装置はどのようなものが計画されているのか」、「どれくらいの人数がこれからTMT計画に参加できるのか」といった質問のほか、TMTに関わる職業や、TMTで進められる天文学についての疑問などが活発に投げかけられた。講師の鈴木氏も、「非常に熱心な学生が多く感心した」と感想を述べていた。
TMT説明会の様子
活発な質疑応答が行われた
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