総合生命科学部 第9回 バイオフォーラム2012

2013.01.21

 1月21日、本学15号館15102セミナー室において、ストックホルム大学 生化学・生物物理学部門 膜研究センター Gunnar von Heijne 教授を招き、「第9回 バイオフォーラム2012」が開催された。

 von Heijne博士は、細胞の働きに必須な役割を持つ膜タンパク質がどのように作られるのかを研究してきた。膜タンパク質は、リボソームによる翻訳に共役しつつ、生体膜の脂質二重層に組み込まれていく。この時、トランスロコンと呼ばれる SecYEG (Sec61)複合体は、ポリペプチドを膜に受け入れる経路を提供する。

 von Heijne博士は物理学的な視点を取り入れた研究を展開しており、これまでに疎水性アミノ酸側鎖の脂質層への分配がタンパク質の膜への組込みのエネルギー源となっていることを示してきた。今回の講演では、膜への組込み力の動力学的な測定の試みについて述べた。この実験は、本学総合生命科学部で研究されてきた「翻訳アレスト」とその解除というタンパク質合成装置であるリボソームの内部で起こる現象を巧みに使ったという点で注目された。講演は基礎的な研究を系統的におこなうことの重要性を印象づけるものであった。
講演するGunnar von Heijne 教授
博士の研究内容に聞き入る参加者
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