ノーベル化学賞受賞者アダ・ヨナット氏が講演

2010.12.15

 12月15日(水)、図書館ホールにおいて2009年にノーベル化学賞を受賞したアダ・ヨナット氏を招き、バイオフォーラム特別講演会「"The voyage of nascent proteins through the ribosome"(リボソームにおける新生タンパク質の旅)」が行われた。このバイオフォーラムは総合生命科学部主催で年に10回程度開催している。

 アダ・ヨナット氏はリボソームの研究で、細胞内でタンパク質合成の場となるリボソームの構造と機能をX線結晶解析などの手法を用いて明らかにしたことで2009年ノーベル化学賞を受賞した。リボソームという複雑な構造体の結晶化と立体構造決定に先駆的な役割を果たし、現在重要な学問分野となっている「構造生物学」を開拓した一人である。

 講演でヨナット氏は、リボソームの構造を説明した後、リボソーム内部にはトンネルがあり、合成途上のタンパク質の鎖が順次トンネルを通ってリボソームの外に生まれ落ちていくことを述べ、その過程で起こる出来事とその分子機構について最近の研究結果を紹介し、リボソームが生き生きと働いていることを印象づけた。

 講演後も活発な質疑応答が行われた。


≪Ada Yonath(アダ・ヨナット)氏プロフィール≫
1939年、イスラエル生まれ。ワイツマン科学研究所教授。「リボソームの構造と機能解析」に関する業績で2009年ノーベル化学賞を受賞。
講演を行うヨナット氏
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