高大連携講座「遺伝子とバイオテクノロジー」

2007.08.24

独立行政法人科学技術振興機構より、平成19年度 サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト「プランA」(※)として採択された京都市立紫野高校と京都産業大学との高大連携事業の取組みに、本学の野村哲郎・工学部教授、山岸博・工学部教授、黒坂光・工学部教授および工学研究科の学生が担当し、高大連携講座「遺伝子とバイオテクノロジー」を実施した。

 連携講座は8月24日、25日の2日間にわたって実施された。

 第1日目は、紫野高校において、3名の教授がそれぞれ講義をおこない、遺伝子の働きが生物の形や性質、さらに生物環境などに大きな影響を与えていること、および遺伝子を利用したバイオテクノロジーの進歩について高校生にわかりやすく解説した。
 今年度で三年目となる本講座だが、高校生の積極的な参加を促すための新たな試みとして、講義終了後に「遺伝子組み換え植物及び食品について」をテーマにグループディスカッションをおこなった。高校生は5名ずつ5つのグループに分かれ、教授・TAのアドバイスを受けながら活発に議論を交わした。ディスカッション結果については、パワーポイントで編集してその場で発表した。

 第2日目は京都産業大学において、本連携講座の総括として「アルコール代謝酵素に関する実験」を行った。実験では、「PCR」(毛髪や爪からのDNAの単離、さらに特定の遺伝子を増幅する)とよばれる最先端の技術を用いて、高校生自身が自らのアルコール代謝に関係するアルデヒド脱水素酵素の遺伝子型を調べた。これと同時に簡単なパッチテストを行い、アルコール代謝能力の表現型を調べ、遺伝子型と比較する。この実験から、遺伝子型により規定される酵素の種類が各人のお酒に対する強弱という形質を決定していることを学習した。
 実験には10名の本学工学研究科の院生が補助に当たり、高校生に丁寧に指導した。「自分はお酒に強いのか」という身近なテーマであったため、参加した高校生は皆、熱心に実験に取り組み、遺伝子型についての理解を深めた。

 講座終了後は中央図書館の見学も行い、ひと夏の大学生気分を満喫した。

※サイエンス・パートナーシップ・プログラム「プランA」とは、大学等研究機関が主体となって高等学校等と連携し、理科系科目について体験的な学習を実施する取組みに対して経費支援がなされるもの。
グループのディスカッション結果をパワーポイントを使って報告する紫野高校生
大学構内にある温室で説明を受ける紫野高校生
TA(工学研究科 院生)が実験等を丁寧にサポートした
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