Catch Up WORLD

今知っておきたい旬なトピックをポイント解説!キャッチアップ・ワールド Catch Up WORLD

理学部 河北 秀世 教授に教えていただきました!

今号のPickUp 火星大接近 Mars Close Approach
地球のすぐ外側の軌道をめぐる火星は、過去に液体の水(海)があったのではないかと考えられ、そのために生物が存在したのではないか(もしかしたら、現在も?)と期待されている惑星です。火星から地球に飛んできた隕石に細菌の化石のようなものが発見されており、注目を集めている惑星の1つです。今年の夏から秋にかけては、約15年ぶりに地球と火星が近づくので観測のチャンス。肉眼でも非常に明るく見えるので、皆さんも夜空を見上げてみませんか。

2018年 地球-火星の位置関係と火星の視直径

  • 地球はほぼ正円の軌道を描き、365日で太陽の周りを一周しますが、火星は楕円形の軌道で687日をかけて一周します。そのため、地球は火星の周期に約2年2ヶ月ごとに追いつき、追い越しますが、今回のように距離が近づくのは約15年に一度だけ!
Q
どの方角に見えますか?

南東のあたりの空を見てみましょう。
夏の大三角も一緒に見えますよ。

日時によって火星が見える位置は変わりますが、南東の空を見ればすぐに見つけることができます。天体に詳しくない方でも「夏の大三角」は聞いたことがあると思いますが、接近した火星は夏の大三角の3つの星よりも明るく、肉眼でも赤っぽく輝いている姿を見ることができます。7月頃であれば夏の大三角より地平線に近いあたりに火星が見えますので、ぜひこういった機会に空を見上げ、一緒に観測してみてください。この夏は、「地球外生命体はいるのだろうか?」と宇宙に興味を向けてみるのも楽しいかもしれませんね。

南東のあたりの空を見てみましょう。夏の大三角も一緒に見えますよ。

Q
観測の見どころは?

望遠鏡が必要ですが、
火星表面の模様に注目しましょう。

せっかく火星が近くにありますので、家庭用の望遠鏡を持っている方はぜひ観測してみてください。「大シルチス」と呼ばれる黒く見える三角の部分が有名です(火星の自転にともなって見える時期が限られます)。それから上下に白っぽく見える部分は「極冠」と呼ばれ、ほとんどが二酸化炭素の氷、つまりドライアイスです。ただし、火星では時々巨大な砂嵐が起こることがあり、その時は模様がなくなって全面オレンジに見えます。すでに今年の5月末に局地的な砂嵐が発生しています。惑星規模の砂嵐というのは地球では考えられない気象現象ですが、これは惑星ごとに気象が全く異なることを実感できる機会でもありますので、ぜひ模様に着目してみてください。

望遠鏡が必要ですが、火星表面の模様に注目しましょう。

EVENT INFO

7/21(土)
神山天文台で天文学講座を開催!

火星の大気の研究を行う専門家をお招きし、
セミナーを開催。その後には火星観測も行います!

vol.80 サギタリウス 2018年7月13日発行

サギタリウスに載りたい人募集!京都産業大学 広報部までお問い合わせください。E-mail:ksu-sag@star.kyoto-su.ac.jp TEL:075-705-1411

PAGE TOP