京都産業大学 同窓会長 今井 一雄さん × 山田 幸代さん対談

※所属・肩書は取材時のものです。(2013年4月)

今井先輩の学生時代についてお伺いしたいのですが、京都産業大学の印象をお聞かせください。

京都産業大学に入学し、我が大学は規律の守られた整然とした大学だなという印象を持ちました。その当時は学生紛争の最中だったので、他大学は授業もやっていない状況でした。その時に京都産業大学は毅然として授業を行っていたので、そこに素晴らしさを感じましたね。 私は、毎日大学には行っていたので、早くから先生方には可愛がっていただきました。先生方も非常に熱く、私が田舎から出てきているということでよく家で奥様の手料理を食べさせていただいて、夜遅くまで人生論を語っていただきましたね。そういう触れ合いがよくありました。 学生にもガッツがあって、“何かやってやれ”という雰囲気がありました。私は高校時代までずっと陸上をしていたんですが、高校三年の時に半月板を痛めてしまったので、大学では競技はやらないと決めていました。ところが、入学後も仲間が来てくれて、「ちょっと教えに来てくれないか」と言ってくれたり・・・、言葉をかけ過ぎないけれど、熱い仲間が多かったです。この頃は、仲間を迎え入れるというようなファミリー的な団結したところがありましたね。

卒業後も卒業生の皆さんとの交流が多いと思うのですが、今でも卒業生と会われた時の団結力を感じられますか?

この年になると皆、穏やかになりますけれど、大学の頃はやっぱりライバル意識があって、お前に負けるかっていう意識が皆ありました。企業に入った後も、そういう意識が頑張ったきっかけになったんじゃないかと思います。なにしろ我々の時は、企業に入ってから自分たちでラインを作っていかなくてはいけなかった。自分の前には道が無くて、自分がその道を作っていくしかなかった。だから、そういうところでパワーになったのは“同窓生”というライバル心でしたね。あいつはこうなったらしいよって聞いて、「負けるか」って思うような・・・。そういう精神でずっときているからこそ、今でも仲がいいっていうのはありますね。それが我々の良さだと思うし、荒木総長が目指しておられた、“こういう人間を世に出したい”という『建学の精神』なのだと、今になって『ああ、そうか』と感じますね。

今井先輩が大学の頃に培われたものには、どのようなものがありますか?

初めて親元を離れ、大学に来たことによって自立し、自分の時間の使い方、自分なりのルールが出来たっていうのはあります。今まで親に管理されていた時間が24時間、365日、自由な時間を与えられて、その時間をどう使っていくか。そのうえ、自分に与えられているお金も決まっていますから、それをどう使っていくかということも学生時代に身についたと思います。

今の学生たちに対しては、どのようなイメージを持たれていますか?

今の学生は品が良すぎる気がしますね。悪いやんちゃじゃなくて、いいやんちゃになってほしいなと思います。とにかく飛び込んでいくような勇気があるのが京都産業大学の本領だと思います。今の学生はかしこすぎて、やる前に一旦止まって、やった方が得か、損か、すぐ計算を始める感じがする。私たちの頃はとにかく飛び込む。そういうのが企業には重宝されました。

学生たちに向けて一言お願いします。

学生時代に『学ぶこと』、これを忘れないでほしい。 いろいろな『学ぶ』があるとは思いますが、学生として学ぶという姿勢を身に着けておかないと、社会に出てから差が出てくる。本を読む癖をつけるなど、学ぶ癖をつけることが大切ですね。ここはそういう環境が十分整っていると思います。法学部出ましたよとか、文化学部出ましたよとかだけではなくて、京都産業大学では経済学部、外国語学部の授業も取れますし、そういうものを身に着けているというのは大変大事なことです。ミックスした知識を持った者というのはすごく優位です。法学部の者が経営学部の知識を持っているとしたら、企業にすれば一番いい。法律がわかっていて、経営学もわかるというのはすごく強みです。そういうことが出来る大学だと思います。
PAGE TOP